FelicaというかNFCとは


この記事の目的

最近話題のキャッシュレス決済で使用されている無線通信方式であるFelicaの仕様などをまとめました。

近距離無線通信とは

広義

  • 交信距離の短い無線通信全般を示す

狭義

  • Near field communication(NFC)の訳語
  • RFIDを使ってICタグと情報をやりとりする技術

NFCとは

構造

下記の要素で成り立つ(Felicaも大枠は変わらない)

  • ICタグ…各種情報を格納
  • (コイル状)アンテナ…電磁誘導によって電力をICタグに供給、リーダ/ライタと通信を行う
  • リーダ/ライタ…ICタグと通信を行いタグ内の情報の取得や上書きを行う

特徴

  • ライターにタグをかざすだけとユーザビリティに優れる
  • 通信速度が速い
  • 非接触の為機械的な摩耗が少ない(故障はする)
  • セキュリティを磁気カードなどより強力にできる
  • QRコードなどと比較してコストが高い
  • 暗所などでも問題なく作動する

分類

  • タグ種別

    • パッシブタグ…ICタグ作動の為の電源を搭載していない為、外部から電源供給しないとリーダ/ライタと通信が出来ない。電源の供給はリーダ/ライタの電波/電磁波を使用する。IDタグからの返答情報は、タグのアンテナがリーダ/ライタの電波を反射する反射波に乗せて行うので非常に弱く、近距離でしか通信できない。
    • アクティブタグ…ICタグに電源がセットになっている為、単体で長距離(数十m)の通信することができる。当然使用によって電池が減ってくるため、定期的に交換が必要
    • セミアクティブタグ…外部から特定の信号を受信したときのみにアクティブタグとして動作する。パッシブタグより通信距離が長く、アクティブタグより電池の消費が少ない

規格

近距離通信(NFC)の規格は歴史的な背景から複数の規格がある上に、通信規格や後述するセキュアエレメントの問題もあり、かなり複雑になってしまっている。規格関係の記述が多くなりすぎてしまうため、Felicaの規格のみ記載します。

Felicaの規格は
通信規格…NFC Type-F(JIS X 6319-4,ISO/IEC 18092(NFC IP-1))
NDEFタグの規格…Type-3
セキュアエレメント…Felica SE(Sony規格)

つい最近も某小型スマホでやらかしていましたが、NFC type-Fが対応されていても、Felica SEが乗っていないとFelica(おサイフケータイ)として振る舞うことが出来ない。

セキュアエレメント

海外のNFC対応スマホが国内の各種決済などに使用できない問題に、このセキュアエレメントの問題があります。
NFCの通信規格は現状Type-A/B/Fの規格がありますが、これはあくまで通信プロトコルなどの規格を定めただけで、セキュリティ面での規格ではありません。決済機能などセキュリティを必要とする分野では別途問題を解決する必要があります。
そこで考えられたのがセキュアエレメントです。

セキュアエレメントは基本的に独立した半導体のデバイスとして存在し、内部で独自のOSが走っています。リーダ/ライタとの通信データは基本的にこのセキュアエレメントと行われ、アプリ側ではセキュアエレメントを介した情報しか得ることが出来ないようになります。

このセキュアエレメントは各企業の思惑などもあり、デバイスに乗せるのか、SIMカードに乗せるのか、SDカードに乗せるのかなどなど国内と海外だけでなく、海外でも規格が乱立しているようです。
セキュアエレメントを積まず、HCE-Fという技術を使って直接アプリケーションとやりとりしようという流れもありますが、どうなるかわかりません。