新人エンジニアを育成するときの人生論


はじめに

本誌は新人育成をしている時に上手く育ってくれず、
悩んでいる方に送ります。

以下、こんなこと言ってます。
● エンジニアの一生は人生と同じ。
● 反抗は成長のあかしだから気に病まない。
● あなたが言ったことを真に理解するのは10年後だよ。


目次

  1. 人生論とはどういうこと?
  2. エンジニアの成長過程

人生論とはどういうこと?

本誌で話したい内容は、育成曲線がーとかそういうロジカルな話ではありません。
新人育成というのは、赤ん坊を育てる親と同じ気持ちで
考えてあげると、いろいろな点ですっきりするよという話です。

もちろん人間の"赤ん坊からの一生"が千差万別であるように
新人もみんな千差万別の育ち方をするのが普通です。

会社から与えられた育成で
画一的に育つなんてことは100%ありえないです。

新人が育たないのは、あなたが悪いわけではない。
また、新人が育たないのは、その新人が悪いわけでもない。

エンジニアの成長過程

入園前フェーズ

社会人:1年目
人生年齢:0~2歳

右も左もわからない新人は、とにかく先輩社員の言うことを素直に聞きます。
先輩社員からやり方を1から10まで教わってもうまくいかないことがあり
先輩社員に助けを求めることもしばしば。

積み木の積み方をまねようとしてもうまくいかない。
0歳から2歳児のフェーズです。

入園フェーズ

社会人:2年目
人生年齢:3歳から5歳
同期の話など外界の世界を知り始めるときです。
特に周りの芝は青く見えるもので、
周りの同期のほうが恵まれてると思うこともしばしば。

先輩社員からのやり方を教わっても
自分の判断で違うやり方を実施して、結局怒られるということも。
先輩のやり方に理解ができずに衝突することもあるでしょう。

小学生フェーズ

社会人:3年目
人生年齢:6歳~12歳

先輩社員から少しずつ離れ、自分の力で歩み始めたころです。
案件にも慣れてきて自分の力で業務を進める自信を深めていきます。

簡単な案件を任せられて
成功経験を積み重ねることで
業務に対する自信をつけていきます。

中学生フェーズ

社会人:4年目
人生年齢:12歳から15歳

社会人としての経験も積み重ねてきて自信もついてきたところ。
難しい問題にチャレンジするケースが増えてきます。

ちょっとできてきた自分に天狗になり
大きなミスをやらかすタイミングでもあります。

障害報告書などのガチ対応が必要になったりと
社会の厳しさを本当の意味で目の当たりにすることもしばしば。

中学生では、勉強が難しくなりついていけなくなったり、
補導されて警察にお世話になるケースもあったり。
親に対する反抗もあり、精神的には不安定になりやすい時期です。

高校生フェーズ

社会人:5年目から7年目
人生年齢:16歳から18歳

世の中には難しい案件や技術が山ほどあることを理解し、
自己学習の大切さに気が付き始める。

自分を磨き高められるかが後々に響いてくる時期。

大学生フェーズ

社会人:8年目から10年目
人生年齢:19歳から22歳

仕事をするうえで、自身が得意とするやり方を習得し始め
専門性を高めていくフェーズ。
社内からも信頼が高まり、難しい案件をアサインされることも多い。

成人後フェーズ

社会人:10年目~35年目
人生年齢:23歳から65歳

仕事をする上では最も長いフェーズ
この年次になると新人(赤ちゃん)を授かることも多く
今度は自分が育てる側に回ることになる。

ここでいう育てるとは新人育成の指示を受けることではなく、
自分が全責任を負わなくてはいけない案件に
新人を入れてOJTしなければならないという状況を指しています。

新人を育てながら、自分が新人だった時に先輩社員から言われた
同じことを新人にもいうようになり、
その時初めて、自分の先輩の言っていた意味を深く理解します。

育成の難しさを感じて、
また自身も成長する。

老後フェーズ

社会人:35年目~
人生年齢:65歳~

最新技術に必死についていこうとするが、
体力が追い付かなくなる。

でも周りからはなんでも知っている
経験豊富な人材

若手PMの下について、その豊富な経験を生かして活躍する。

死後

社会人:定年退職
人生年齢:死亡

エンジニア人生に終止符を打った時。
死亡した後、が天国か地獄か

死後の世界がどのような世界なのかは知る由もない。

つまり

新人がうまくできないのもしょうがない。
反抗するのも成長のあかし。

あなたが言っている内容をちゃんと理解するのは
10年後だと思ったほうがいい。

それを自分の育成は、育成論に従ったすごい育成だから、
0歳の赤ちゃんに逆上がりを教えられると意気込んでもしょうがない。

でも、それもできちゃう赤ちゃんも稀にいるだろうけど
それはそれ。

長い目で見よう。