VDSL でフェライトコア、ツイストペアケーブル、シールドって効果あるの?


この記事について

この記事は、電話線でインターネットに接続する VDSL のケーブルをちょっと高性能なケーブルに交換したら、通信速度がどれくらい変わるのかを調べた記事である。

まず最初に結論から (通信速度の変化)

測定方法および通信環境の概要

  • 測定方法 : FAST powered by Netflix (https://fast.com/ja/)
  • 交換後のケーブル : フェライトコアおよびシールドを備えるツイストペアケーブル (ELPA TEW-A010)
  • プロバイダ : DMM
  • インターネット接続 : Flets 光コラボ, V6プラス (= 光配線なら、数 100 Mbps の速度が出る)

測定結果

測定項目 VDSL機器に同包されていたケーブル ちょっと高性能なケーブル
(シールド、フェライトコア、ツイストペア)
交換後のパーセンテージ
DL 速度 (Mbps) 88.5 Mbps 90.5 Mbps 102 %
UP 速度 (Mbps) 46.0 Mbps 52.5 Mbps 114 %
レイテンシ (アンロード済, ms) 6 ms 6 ms 100 %
レイテンシ (ロード済, ms) 25 ms 13 ms 52 %

結果に対する考察

アップロード速度とレイテンシ (ロード済) に改善が見られる。ダウンロード速度とレイテンシ (アンロード済) に変化は見られない。
物理回線の品質が低い場合 (理論値の 50 % など)、速度およびレイテンシの改善がされるのかもしれない。

用語の解説

VDSL

VDSL とは、電話用メタルケーブル2対を利用した通信方式。建物の都合上、インターネット接続用光ケーブルを部屋まで配線することができないマンションやアパートで利用される。最大 100 Mbps の通信速度がよく利用される。
G.fast という、最大通信速度上り下り合計 830 Mbps の規格もサービス提供が開始されている (2018年10月)。しかし、2019 年3月時点では、ごく一部のマンションにのみ提供されており、普及されているとは言い難い。

フェライトコア

磁石の周りにケーブルを通すことで、ノイズを抑える器具。

ツイストペアケーブル

メタルケーブルのペアをツイスト (ひねる) ことで、ノイズを抑えたケーブル。

シールド

メタルケーブルを金属の編み物で包むことで、ノイズを抑える仕組み・構造。

最後に (計測してみて感じたこと)

  • 電気配線の品質測定や通信の品質測定が十分にできなかった。
  • VDSL機器に、電気配線の品質を測定する機能が欲しいと感じた。
  • 定期的に速度測定するアプリや様々な通信品質(パケットロスなど)を測定するアプリが欲しいと感じた。
  • 結局、通信速度はあまり改善しなかった。(自己満足)