Visual Basic 2018年の振り返り


はじめに

これは、Visual Basic Advent Calendar 2018の1日目の記事となります。

話題

オランダのTIOBE Software社は毎月のプログラミング言語のランキングを発表している。
昨年に比べて、Visual Basic.NETとVisual Basicが共に上昇したということで久しぶりに明るい話題が上がりました。

TIOBE Softwareは今回の動向について、「予測していなかったもの」として驚きを表している。TIOBE Softwareは数年前にVisual Basicはこのまま数年後には消え去るだろうと予測しており、今回の結果は予測から大きく異なっている。
Visual Basicが上昇 - 2月プログラミング言語ランキング

ひどい言われようですね。

考察

索引は、言語の名前を含む照会の検索エンジン結果の数から計算されます。[3] このインデックスは、Google、Googleブログ、MSN、Yahoo !, Baidu、Wikipedia、YouTubeでの検索に適用されます。インデックスは月に1回更新されます。
... TIOBEは完全な言語をチューリングすることに重点を置いているため、HTMLなどの人気についての情報は提供していません。
サイトによると、TIOBEの指数は、「最高のプログラミング言語や、ほとんどのコード行が書かれている言語ではない」[4] しかし、このサイトでは、Webページの数が世界中の熟練したエンジニア、コース、雇用者の数を反映していると主張しています。
https://en.wikipedia.org/wiki/TIOBE_index

25の検索エンジンから取得している、より詳細な検索は下記サイトを参考
https://www.tiobe.com/tiobe-index/programming-languages-definition/

このように検索エンジンから取得してランキングを作成していますから、良い悪い関係なく話題性があれば上昇するわけです。ちょうど昨日(11/30)にCOBOLがTwitterトレンド入りし話題に上がりました。
プログラミング言語「COBOL」がTwitterトレンド入り AWS Lambdaのサポート言語に追加、技術者がざわつく

この件について検索したところ下記の英語ですが記事がありました。

他のアンケート結果ではVBの人気は芳しくありません。(中略)スタックオーバーフロー開発者の調査結果によれば、「VBは将来、ユーザーが別の言語を使用する言語のリストを上回ります」と述べています。(中略)
Visual Basicは停止していますか?うん。ユーザーとそのユーザーはまだそれを認識していないかもしれませんが、ゾンビのステータスに向かっています。幸運なことに、プログラミング言語はゾンビとして長く、充実した、健康的な死を楽しむことができます。
Is Visual Basic Dead? Let’s Define Dead: Zombies and Nothingness

自分なりにこの件について考察してみます。
Visual Basic 6.0からVisual Basic.NETに移行するって話題でも、Visual Basic 6.0からC#やJavaなどの他言語に移行するでも、Visual Basicというキーワードは入るわけです。
Visual Basic 6.0のランタイムのサポートはWindows 10の延長サポート終了日(2025年10月14日)までありますが、開発環境のVB6 IDEは2008年4月8日で延長サポートも切れている状態ですし、サードパーティ製のコンポーネントの大半は切れているでしょう。
Windows 7のサポート期限は2020年1月14日ですから、企業側でもWindows 10に移行する上でVisual Basic 6.0製のアプリケーションをどうにかしようという動きがあってもおかしくありません。

別視点で考察してみると、Visual Basicのカテゴリーは何もVisual Basic 6.0だけでなくVBAやVBSも含まれています。社会人向けプログラミング講座などが増えてきて、簡単なプログラムを組めるようになった方が仕事にプログラムを使うとしたら、一番手軽で仕事に約に立つExcelのVBAを使用することになると思うんですよ。VBAが残り続ける限り、Visual Basicの順位は下がらないと思います。

Visual Basic.NETも上昇した件は考察していないですが、たぶんVisual Basicの順位に引っ張られたんじゃないでしょうか。

2019年に向けて

The Visual Basic Teamのブログが久しぶり(11月12日)に更新されました。題名は「Visual Basic in .NET Core 3」です。
https://blogs.msdn.microsoft.com/vbteam/2018/11/12/visual-basic-in-net-core-3-0/

Visual Basic .NETには4つの重要なメッセージがあります。

  • Visual Basic .NETは今日.NETコアでコンパイルおよび実行されており、引き続きこれを行います。
  • Visual Basicランタイムは現在.NET Coreの一部ではありませんが、.NET Core 3.0に含まれます。
  • Visual Basic 16.0は、C#8.0と共に同時に出荷されます。
  • Visual Basic 16.1と16.2では、C#との相互運用性が向上し、新しい機能が追加されます。

.NET Core 3で Windowsデスクトップアプリケーション(Windowsフォーム(WinForms)とWPF)に対応するってことですね。.NET Coreだからマルチプラットフォームかと思いきや、WindowsフォームはWindows専用とのこと。

ロードマップ

Visual Studio のロードマップ

Visual Studio 2017では、Updateごとにマイナーバージョン番号が更新されている。
下表はVisual Studioのバージョンです。

バージョン リリース日 備考
15.0 2017年3月7日
15.1 2017年4月5日
15.2 2017年5月10日
15.3 2017年8月14日 C# 7.1がサポートされた。
15.4 2017年10月5日
15.5 2017年12月4日 C# 7.2がサポートされた。
15.6 2018年3月5日
15.7 2018年5月7日 C# 7.3がサポートされた。
15.8 2018年8月14日
15.9 2018年11月13日
16.0 2019年未定 C# 8.0とVB 16.0をサポート予定

Visual Basicに関しては2018年は何もリリースはなかったです。
Visual Basic の新機能

GitHubのVisual BasicタグのIssuesは以下のページとなります。
Language-VBのIssues

最後に

来年、Visual Studio 2019がでます。
ところでVisual Basicでは2003年からバージョンに年番号を付けていたのですが、リリースサイクルを短期化したので、C#同様に内部バージョンがそのままバージョンのVisual Basic 16.1および16.2あたり、どうするのでしょうね。

ここらへんは商売がらみで本のタイトルとかありますから、「Visual Basic 2019」にした方が売りやすいかな。
Visual StudioとVisual Basicはバージョンを合わせているので、2019になるはず。