Taylor展開の証明


これが一番楽だと思います(多分)

証明

 ある点$t$において関数$f(t)$の値が分かっている時、$f(t+dt)$の近似値を得ることを考える。$C_0, C_1, C_2, \cdots$を任意の係数として、$f(t+dt)$を$dt$の多項式で表現すると、次のように書ける。

f(t+dt)  =  C_0 +C_1 dt +C_2 (dt)^2 +\cdots +C_k (dt)^k +\cdots  \tag{1}

 以降、係数を$C_0$から順に求めていく。$dt=0$とすると、直ちに次が分かる。

  C_0 = f(t)

 続けて$C_1$を求めるには、まず式(1)を微分する。

  f'(t+dt)  =  C_1 +2C_2 dt +3C_3 (dt)^2 +\cdots +kC_k (dt)^{(k-1)} +\cdots  \tag{2}

 ここで$dt=0$とすれば、直ちに次が分かる。

  C_1 = f'(t)

 さらに式(2)を微分し、$dt=0$とすると、次が分かる。

  C_2 = \frac{f''(t)}{2}

 以降も同様の方法で計算すると、係数を次々と求めることができる。

  C_3 = \frac{f^{(3)} (t)}{2 \cdot 3}
  \\
  C_4 = \frac{f^{(4)} (t)}{2 \cdot 3 \cdot 4}

 すると$f(t+dt)$は、最終的に次のように書ける。

  f(t+dt)  =  f(t)  +f'(t) dt  +\frac{f''(t)}{2!} (dt)^2  +\cdots  +\frac{f^{(k)} (t)}{k!} (dt)^k  +\cdots

 まとめて書けば、次のようになる。

  f(t+dt)  =  \sum_{k=0}^{\infty}  \frac{f^{(k)} (t)}{k!} (dt)^k

 これを、Taylor級数の式という。また、関数$f(t)$からTaylor級数を得ることを、Taylor展開という。