2点から等距離にある点の軌跡(数学II)


最近,十分性の証明を省略してはいけないのではないかという風潮があるので、しっかり書いてみることにします。

問題

2点$\text{A}(-1,\,5)$,$\text{B}(7,\,-1)$から等距離にある点$\text{P}$の軌跡を求めます。

解答

$\text{P}(x,y)$とおくと,$\text{AP}=\text{BP}$より,$$\text{AP}^2=\text{BP}^2$$$$\therefore (x+1)^2+(y-5)^2=(x-7)^2+(y+1)^2$$$$\therefore 2x+1-10y+25=-14x+49+2y+1$$$$\therefore 16x-12y-24=0$$$$\therefore 4x-3y-6=0$$よって,点$\text{P}$は直線$4x-3y-6=0$上にあることがわかりました。しかし、直線全体を動くかどうかはわかりません。
そこで,点$\text{P}(a,b)$が直線$4x-3y-6=0$上の点であるとすると,$$4a+3b-6=0\cdots\text{①}$$が成り立ちます。このとき,
$$\begin{aligned}[t]
\text{AP}^2-\text{BP}^2
&=(a+1)^2+(b-5)^2-(a-7)^2-(b+1)^2\\
&=2a+1-10b+25+14a-49-2b-1\\
&=16a-12b-24\\
&=4(4a-3b-6)\\
&=0\quad(\therefore\text{①})
\end{aligned}$$$$\therefore \text{AP}^2=\text{BP}^2$$$$\therefore \text{AP}=\text{BP}$$
となるので、直線$4x-3y-6=0$上どこに点$\text{P}$をとっても$\text{AP}=\text{BP}$となります。
以上より、点$\text{P}$の軌跡は直線$4x-3y-6=0$全体を表します。除かれる点などはありません。