社外勉強会の運営に必要な3つのこと


【概要】

DOG(Design One Go) というGolangの初心者を対象とした社外勉強会の運営を経験を通して学んだ社外勉強会の始め方と運営についてまとめようと思います。

【DOGの内容と各回の振り返り】

私が感じた社外勉強会の運営に必要な3つのことを説明するために必要な情報として、これまで行ってきたDOGの内容を共有したいと思います。

第1回(社内向けプレオープン):LT大会

これから社外勉強会を開催していくにあたり運営の経験を積むために社内エンジニアのみを対象として勉強会のプレオープンを行いました。社内エンジニアのみ対象とはいえ、きちんと運営の勉強をするためにイベントページの開設や飲食物の発注、当日の進行などは本番と同様に行いました。
イベントページを限定公開する都合からイベントページはTechPlayのみで公開しました。

第2回:LT大会

第1回で運営の経験を積めたので、いよいよ社外向けでの勉強会の開催となりました。参加者はLT枠3名、聴講者8名の合計11名のエンジニアに参加していただきました。初回にしては人が集まっているように見えますが、LT枠は全員、聴講者枠もほとんどが社内エンジニアでした。ここで課題として浮き彫りになったのは社外エンジニアの参加者が少ない、特にLT枠の応募が無いことでした。

第3回:パワポカラオケ風LT大会

第3回はパワポカラオケ風のLT大会を開催しました。即興でLTをするという内容ではなく、Web上に公開されている他の方が作られた資料を用いてLTをするという内容です。パワポカラオケを採用したのはLT枠の社外エンジニアの応募を集める施策として、LTするにあたり資料の作成という工程を削り、よりLTのハードルを下げるためでした。
また、第3回からはTechPlayだけでなくConnpassでもイベントページを公開してみました。
施策の結果は参加者が全員社内エンジニアという空振りで終わってしまいました。

第4回:Golang×モブプロ×TDD

LT大会は人が集まらないのでは?という仮説をもとにLTはおまけとして内容を改めることにしました。手を動かしながらGolangの勉強ができ、かつ一人では出来ないということからモブプロが採用されました。またモブプロの題材として集客効果が強そうな t_wada式TDDを採用しました。
施策の結果は社外エンジニアの参加が増え、さらにLT枠にも初の応募がありました!

第5回:Golang×モブプロ×gin

第4回の成功の味を占めて、第5回もモブプロを採用することにしました。題材は第4回から変更してginを採用することとしました。さらにConnpass経由での応募が多いことから、TechPlayでの公開はやめてConnpass一本に絞ることとしました。
第5回の参加者はLT枠が1名、聴講者枠が7名、他キャンセルが5名と過去最高の応募が集まりました。さらに驚くことに、この13名全員社外エンジニアです。もう社内エンジニアでカサ増しする必要もなくなりましたw やはりモブプロの採用は効果があったのだと思います。非常にありがたい限りです。

第6回:Golang×モブプロ×競プロ

第6回もモブプロとし、題材は競技プログラミングとしました。競技プログラミングとした理由としては問題が豊富なので運営が楽で、かつ基礎構文に慣れるにはピッタリの内容だと判断したためです。実際の内容はこちらを参考にしてください。
第5回の参加者はLT枠が2名、聴講者枠が6名で全員社外エンジニアでした。第5回と比較して参加者は減少しましたが、LT大会をやっていた頃とは比べものにならない成果です。

第7回:Golang×モブプロ×競プロ

第6回では競プロの問題を合計10問用意しておりましたが、3〜4問ほどしか解かれていなく、問題も余っていたため内容は第6回と全く同じとしました。
ただ大変申し訳ないことに運営の諸事情により第7回は急遽中止となりました。参加予定だった皆様には申し訳ない限りです。

第8回:Golang×モブプロ×競プロ

第7回が中止となったため、題材は第8回に繰越しとなりました。参加者はLT枠が2名、聴講者枠が6名、他キャンセルが8名でした。キャンセルが多く入ってしまいましたが、応募数は過去最高です。

【社外勉強会の運営に必要な3つのこと】

勉強会の詳細の説明に時間をかけてしまいましたが、ここからが本題です。社外勉強会の運営に重要だと感じたことを3つ紹介したいと思います。

社内の理解を得ること

勉強会を開催するためには開催場所や(必須ではないが)飲食物、準備時間など必要となるものが多々あり、これらは自社の理解があると手配が楽になります。勉強会の参加者から費用を参加料を頂戴するという手もあるとは思いますが、反面参加者が減る可能性が高いというデメリットがあると判断して参加料を頂戴することは避けました。
ただ会社からすると効果が見込めないものに対して投資するのは難しいと思いますので、理解を得るために自社に対して社外勉強会主催のメリットを示す必要があります。私たちが提示したメリットは以下の通りです。

  1. 勉強会を通して自社の認知度を高めることができる
  2. エンジニアの採用に繋がる可能性がある
  3. 他の会社や勉強会と協賛することで外部とのつながりを形成できる可能性がある

これらを提示した結果、自社からの理解を得ることができ無事に勉強会の開催ができるようになりました。

参加者のターゲッティングと他の勉強会との差別化

自社の事情によりGolangを取り扱うということは決まっておりました。しかし、Golangの勉強会には golang.tokyoDeNA.go などなど知名度が高く集客力が強い勉強会があります。勉強会に社外エンジニアを集めるためには、それらと差別化を行う必要があります。
私たちは大手の勉強会と比較して知名度がないを逆手にとり、アウトプットのハードルが低いことを活かして初心者でも気軽にアウトプットすることができる勉強会として、Tour of Goはやった程度のGolang初心者を参加者のターゲッティングとしました。
しかしDOGの詳細でも触れたようにLT大会ではLT枠の応募が無かったため、ハードルの低さに加えてGolangに触れる場としてモブプロをメインに切り替えました。結果としてモブプロに切り替えたことも他の勉強会との差別化に繋がったかなと思います。
初心者向けかつモブプロという内容から他の勉強会との差別化ができ、参加者・応募者も右肩上がりとなっていきました。

運営の負荷を減らすこと

勉強会を単発で実施する分には負荷が高くても問題ないかなと思いますが、継続して勉強会を開催する場合は運営の負荷が高いと運営側のモチベーションダウンに繋がると思います。
特にLT大会をメインでやっていた頃はLT枠の応募が無かったため、致し方なく社内のエンジニアに登壇を依頼したり運営メンバーが登壇したりとやって、勉強会の運営以外に登壇者としての負荷がありました。
勉強会の内容をモブプロに切り替えたのは社外のエンジニアの応募を集めるためというのもありましたが、加えて運営が登壇しなくてはならないという流れを断ち切るというのも理由としてありました。
モブプロであれば参加者どおしでのコミュニケーションが主で、教えるとしても登壇のに比べれば負荷は圧倒的に低かったです。
LT大会を続けていた場合、第8回まで継続出来ていなかった可能性が高いかなと思います。

【感想】

第8回まで社外勉強会をやってみて大変だったこともありましたが、社外エンジニアの応募が増えたこと、そしてそれ以上に参加者が楽しそうにGolangと触れ合う姿を見て、それだけでも開催して良かったと思えました。また運営に携わることで自身の成長にも繋がったかなと思います。
皆さんもぜひ、勉強会の運営に携わってみてほしいです。