【その2】DeepLearningを使って気象画像から天気予報をする


前回

前回は気象画像を用いて、CNNモデルによって画像判別を行い、次の日の天気を推定する、ということをやりました。前回の記事はこちらDeepLearningを使って気象画像から天気予報をする1になります。

今回

今回は前回行った結果をより詳細な天気を使ってみていきたいと思います。

テスト期間での詳細天気

分析では、テスト期間を2016年1月から7月までの日次としました。
今回推定したのは、「晴」「雨」の二値分類ですが、実際はもっと詳細な天気になっています。そのため、推定した「雨」確率と「晴」確率を使って、詳細な天気と比較したいと思います。

推定確率と詳細天気

推定期間での詳細天気ごととの平均確率は以下のようになっています。

天気 雨確率 晴確率 データ数
42% 58% 26
21% 79% 22
快晴 22% 78% 19
曇一時雨 67% 33% 11
晴一時曇 32% 68% 9
晴時々曇 36% 64% 9
曇一時晴 34% 66% 8
晴後薄曇 24% 76% 7
薄曇 33% 67% 7
雨時々曇 53% 47% 6
曇時々雨 59% 41% 6
晴一時薄曇 33% 67% 5
曇後一時晴 43% 57% 5
雨後時々曇 59% 41% 4
雨後曇 67% 33% 4
晴後時々曇 21% 79% 4
曇後雨 65% 35% 4
曇後晴 21% 79% 4
薄曇一時晴 47% 53% 4
曇後一時雨 48% 52% 3
曇時々晴 44% 56% 3
雨一時曇 53% 47% 2
雨後一時曇 61% 39% 2
雨後晴 67% 33% 2
晴後一時薄曇 31% 69% 2
晴後曇 57% 43% 2
大雨後一時曇 74% 26% 2
曇後時々雨 24% 76% 2
曇時々雨一時晴 57% 43% 2
曇時々晴後一時雨 20% 80% 2
薄曇後時々晴 16% 84% 2
薄曇時々晴 30% 70% 2
89% 11% 1
雨一時みぞれ後時々曇 24% 76% 1
雨後曇、あられを伴う 92% 8% 1
雨時々晴一時霧雨 84% 16% 1
雨時々曇一時晴 74% 26% 1
晴一時雨 72% 28% 1
晴後一時雨、雷を伴う 76% 24% 1
晴後雨時々曇 3% 97% 1
晴時々薄曇 14% 86% 1
大雨 92% 8% 1
大雨後時々晴、みぞれを伴う 93% 7% 1
曇一時雨後一時晴 20% 80% 1
曇一時雨後時々晴 81% 19% 1
曇一時雨後晴 20% 80% 1
曇後時々晴 89% 11% 1
曇時々晴後一時雨、雷を伴う 79% 21% 1

これだと判りにくいので、「雨」確率の上位と「晴」確率の上位を見てみます。
まず、「雨」確率の上位10項目は以下のようになります。

天気 雨確率 晴確率 データ数
大雨後時々晴、みぞれを伴う 93% 7% 1
大雨 92% 8% 1
雨後曇、あられを伴う 92% 8% 1
89% 11% 1
曇後時々晴 89% 11% 1
雨時々晴一時霧雨 84% 16% 1
曇一時雨後時々晴 81% 19% 1
曇時々晴後一時雨、雷を伴う 79% 21% 1
晴後一時雨、雷を伴う 76% 24% 1
大雨後一時曇 74% 26% 2
雨時々曇一時晴 74% 26% 1

次に「晴」確率の上位10項目は以下のようになります。

天気 雨確率 晴確率 データ数
晴後雨時々曇 3% 97% 1
晴時々薄曇 14% 86% 1
薄曇後時々晴 16% 84% 2
曇一時雨後晴 20% 80% 1
曇一時雨後一時晴 20% 80% 1
曇時々晴後一時雨 20% 80% 2
21% 79% 22
晴後時々曇 21% 79% 4
曇後晴 21% 79% 4
快晴 22% 78% 19
雨一時みぞれ後時々曇 24% 76% 1

結構いい具合で推定されているのではないでしょうか。
特に、雨に関しては「大雨」とかに関しては比較的確率が高く出ています。
一方、晴に関しては「一時雨」とかが多くなっています。「晴」「曇」「雨」が全て入るような場合は推定にブレが生じるようです。このへんは課題ですね。

次回

次回は教師データの改良を行って、モデルをアップデートしていきたいと思います。

追記:気象予報に関して

法律的には、気象予報は気象予報士を帯同しないと行ってはいけないことになっています。このへんに詳しく書いてあります。当然私は気象予報士でもなんでもないので、一般に「明日の天気」みたいなものを配信することはできません。
また、ソフトウェアやモデルに従って予報することも基本的には認められていません。

引用しておくと

気象庁の数値予報資料から自動的に天気や気温などを計算するソフトウェアを作りました。このソフトウェアを使って予報を行う場合にも予報業務許可が必要ですか。

予測の方法の如何に関わらず予報業務を行うには、予報業務許可が必要です。
ただし、現象の予想は気象予報士が行わなければなりませんので、気象予報士が介在せずにソフトウェアのみで予報を行う場合は、予報業務を許可することはできません。

とあります。

なお、「現象」とは以下のように定義されます。

予報とは気象業務法によって「観測の成果に基く現象の予想の発表」と定義されています。
具体的には、「時」と「場所」を特定して、今後生じる自然現象の状況を、観測の成果を基に自然科学的方法によって予想し、その結果を利用者(第三者)へ提供することをいいます。業務とは「反復・継続して行われる行為」をいいます。

第三者への提供にはWebでの公開も含まれます。

なので、この分析に関しては個人的な研究として捉えていただければと思います。