Windows版Bitnami Redmine Installerインプレッション


まずはじめに

本稿はRedmineのレポートではなく、インストーラーのレポートです。対象バージョンはWindows版Bitnami Redmine Installer 3.4.3-1です。ではレッツゴー。

まさかの32bit

2017年11月時点で、ダウンロードページで公開されているWindows版Bitnami Redmine Installerは32bitです。もちろん、64bit Windows上でも32bitアプリは不都合なく動きます。
OS X版が32bitと64bitの両方、Linux版は64bitのみとなっています。

追加・修復・変更インストールという概念はない

Bitnami Redmine Installerは基本的に「一度インストールしたら終わり」「一発勝負」です。あとから修復インストールといったことはできません。
インストールウィザードの画面上でPhpMyAdminとGitをインストールするかどうか選択できるようになっていますが、インストールが終わったら、後から変更することはできませんので注意して下さい。

インストールされるコンポーネント

WebサーバはApache httpd、データベースはMySQL、Rails実行環境はThinです(Passengerではありません)。
インストーラーを実行すると、Apache Foundation製のApache httpdインストーラやOracle製のMySQLインストーラーが立ち上がるのではなく、すべてのコンポーネントをBitnami Installerが直接インストールします。すべてのファイルがC:\Bitnami\redmine-3.4.3-1の下のどこかに展開されます。

Apache httpd

インストールウィザードはポート番号を聞いてきません。80/tcpと443/tcpで立ち上がります。これらのポートが既に別のサービスに使われている場合に限り、インストールウィザードが代替のポート番号を聞いてきます。
80/tcpと443/tcpの違いはTLSかどうかだけです。TLSのサーバ証明書は、CN=www.example.comの自己署名証明書がC:\Bitnami\redmine-3.4.3-1\apache2\conf\server.crtに、対応する秘密鍵ファイルがC:\Bitnami\redmine-3.4.3-1\apache2\conf\server.keyにありますので、TLSを利用する場合は適宜差し替えを行って下さい。

MySQL

インストールウィザードはポート番号を聞いてきません。3306/tcpで立ち上がります。このポートが既に別のサービスに使われている場合に限り、インストールウィザードが代替のポート番号を聞いてきます。
rootユーザーのパスワードは、インストールの時に「管理者アカウントの作成」で指定したパスワードと同じです。
Redmineアプリが実際に使うユーザーIDとしてbitnamiが作成されます。パスワードは乱数生成され、C:\Bitnami\redmine-3.4.3-1\apps\redmine\htdocs\config\database.ymlに書き込まれます。
Redmineアプリが使うスキーマとして、bitnami_redmineが作成されます。Redmineが使うテーブルはここに配置されます。

Thin

3001/tcp、3002/tcpの2ポートを占有して2インスタンスが立ち上がります。 Apache httpdは、この2つのポートをロードバランスする設定になっています。http://127.0.0.1:3001/redminehttp://127.0.0.1:3002/redmine にアクセスすると、Apache httpdを経由せずThinに直接アクセスできます。

PHP

PHPはphpMyAdminを動かすために収録されていると思いますが、phpMyAdminをインストールしなくてもPHPは入ります。

その他

README.txt を参照して下さい。

Q&A

Q. MySQLは既にインストール済みのものがあるので、それを使いたい。
A. できません。Bitnami Installerが有無を言わさずMySQLをインストールし、それを使ってしまいます。

Q. Redmineインスタンスをもう一つインストールしたい。
A. Bitnami Installerをもう一度起動してください。Apache httpd, MySQL, Thinその他もろもろ全部が、さっきとは別の場所にもう1個インストールされます。アンインストーラーは上書きされてしまうらしく、Redmineを2個インストールしてもWindowsの「プログラムのアンインストールまたは変更」メニューにBitnami Redmine Stackは1個しか表示されません。これを選択して「アンインストールまたは変更」した場合、どちらのRedmineインスタンスが削除されるかは不明です。神に祈りましょう。
非常に収まりが悪い運用になってしまうため、お勧めはできないのですが、これしか方法が見つかりません。

Q. bundle exec rake ほにゃらら をしたい。
A. スタートメニュー → Bitnami Redmine Stack → Bitnami Redmine Stack を使用する を選ぶとコマンドプロンプトが出てきます。この状態で

C:\Bitnami\redmine-3.4.3-1>set RAILS_ENV=production
C:\Bitnami\redmine-3.4.3-1>cd apps\redmine\htdocs
C:\Bitnami\redmine-3.4.3-1\apps\redmine\htdocs>bundle exec rake ほにゃらら

こんな感じでできます。

以上!幸運を祈る。

リファレンス

WindowsにRedmine環境を簡単に構築する手順
https://nj-clucker.com/easy-way-to-install-redmine/

Bitnami Redmine Installer ダウンロードページ
https://bitnami.com/stack/redmine/installer