JSTQB Advanced Level テストマネージャ学習vol.19


JSTQB ADVANCED LEVEL テストマネージャ試験概要はこちらを参照

4.欠陥マネジメント

4.3 欠陥レポート情報

欠陥レポートに含める情報には3つの目的を満たす必要がある

  • 欠陥ライフサイクル全体でのレポートのマネジメント
  • プロジェクトステータスのアセスメント、特に、プロダクトの品質とテスト進捗に関するもの
  • プロセス能力のアセスメント

欠陥データはテスト進捗モニタリング、コントロール、終了基準の評価に使用できる
(例:欠陥密度分析、検出し解決した欠陥の傾向分析、欠陥の検出から解決までの平均時間、故障強度-MTBF分析など)

欠陥レポートには以下を含める

  • 欠陥を発見した人の名前
  • その人の役割
  • 実行していたテストタイプ(例:使用性テスト、性能テスト、回帰テスト)
  • 問題の概要
  • 問題の詳細説明
  • 再現手順、実際の結果と期待結果、スクリーンショット、データベースダンプ、ログ
  • ライフサイクルフェーズ、テストレベル
  • 欠陥が混入した成果物
  • システム、プロダクト、ステークホルダへのインパクトの重要度(システムの技術的振る舞いにより決定)
  • 問題を解決する優先度(故障のビジネスインパクトで決定する)
  • 欠陥が存在するサブシステムまたはコンポーネント
  • 問題を検出したときに実行していたプロジェクト活動
  • 問題を明らかにした識別方法(例:レビュー、静的解析、動的テスト。実運用など)
  • 欠陥の種類(使用する欠陥分類法に対応する)
  • 欠陥により影響を受ける品質特性
  • 欠陥を観察したテスト環境
  • 問題が存在するプロジェクトとプロダクト
  • 現在の所有者(アサイン)
  • レポートの状態
  • 問題を観察した特定の成果物(テストアイテムとそのリリース番号など)
  • プロジェクトステークホルダ、プロダクトステークホルダの利害へのインパクト
  • 問題を解決するためのアクションの実行または不実行に関する結論・提案・承認
  • 欠陥を解決する、解決しない場合のリスク、コスト、機会、メリット
  • 欠陥ライフサイクルの遷移が発生した日付、各遷移でのレポートアサイン、行ったアクション
  • 欠陥を解決した方法の説明、解決策をテストするための推奨策
  • 欠陥を明らかにしたテスト、欠陥に関連するリスク、要件、他のテストベース要素など、その他の情報

テストレポートで収集する情報 = ISO9126(ISO25000に改訂中)、IEE829 , IEEE1044 を参考にできる

4.4 欠陥レポート情報によるプロセス能力の評価

欠陥レポートをプロジェクトステータスのモニタリングとレポートに役立てることができる

  • 混入、検出、除去の情報に含まれるフェーズ情報をフェーズごとに使用して、フェーズ内阻止を評価し、各フェーズでの欠陥検出効率を改善する方法を提案する
  • 混入フェーズの情報を、最多数の欠陥が混入したフェーズのパレート分析用に使用して、欠陥の総数を削除するための的を絞った改善を行う
  • 欠陥の根本原因情報を使用して欠陥混入の基になる理由を確認し、欠陥の総数を削除するためのプロセス改善を行う
  • 混入、検出、除去の情報に含まれるフェーズ情報を使用して品質コスト分析を実行し、欠陥によるコストを最小化する
  • 欠陥コンポーネント情報を使用して、欠陥の偏在の分析を実行し、テクニカルリスク(リスクベースドテストの場合)の理解を深め、問題の多いコンポーネントのリエンジニアリングを可能にする

記事内用語解説

フェーズ内阻止

ソフトウェアライフサイクルの同一フェーズ内における、混入した欠陥数に対する除去された欠陥数のパーセンテージ