JSTQB Advanced Level テストマネージャ学習vol.22
JSTQB ADVANCED LEVEL テストマネージャ試験概要はこちらを参照
7.スタッフのスキル - チーム構成
7.2 個人のスキル
ソフトウェアテストの為の個人の能力は様々な作業領域における経験、教育、トレーニングを通じて獲得できる
- ソフトウェアシステムの利用
- ドメインまたはビジネスについての知識
- 分析、開発、テクニカルサポートを含むソフトウェア開発プロセス、フェーズでの活動
- ソフトウェアテスト活動
理想的なテストチームはスキルと経験度合いが混在している。そして各チームメンバーが自発的に互いに教え、学び合う能力を持つべきである。
テストマネージャは特定の領域のスキルを改善するために各人の能力目標を設定し、個人のスキルを評価するために使用する特定の基準を定義する。
テストマネージャはテスト担当者に投資し、継続して学習する環境を構築すると、チームメンバはモチベーションが高まって自分のスキルと知識を向上することに熱心になり、次の機会の準備を整える。
テストマネージャはスキルアセスメントスプレットシートを使用してチームの強みと弱みを識別できる。
7.3 テストチームの力学
最善のチームを構築するためにスタッフの選択は組織の管理者にとってもっとも重要な市議との一つである。
チームに参加する個人を選択するときチームの力学についても配慮しなければならない。
- 迎えようとしているテスト担当者がチームのスキルを補完できるか?
- 性格が合うか?
個人は自分の価値と必要性が認識されていると感じると、より熱心に働き、周囲により気を配る。
新しいチームメンバはすぐにチームに組み入れて適切に監督しサポートしなければならない。
それぞれの個人にはそのチーム内における明確な役割を与えなければならない。
採用、追加する人を決定する場合の評価するスキル
- 要件ドキュメントからテストケースを抽出する
- テクニカルドキュメント(要件、コードなど)をレビューする
- レビューコメントを明確でわやりやすく目的に沿った形式で記述できる
- 特定のシナリオでさまざまなテスト技法を適用する
- 故障を評価し、正確に記録する
- 欠陥分類情報の理解度をはっきりと示す
- 欠陥の根本原因の理解度をはっきりと示す
- ツールを使用して正常系テストと異常系テストを含む特定のAPIをテストする
- SQLを使用してデータベース情報を検索および変更し、特定のシナリオをテストする
- 複数のテストを実行して、テスト結果を収集するテスト自動化ハーネスを設計する
- 自動化したテストを実行し、故障トラブルシューティングをする
- テスト計画、テスト仕様を記述する
- テスト結果のアセスメントを含むテストサマリレポートを記述する
対人関係スキルは次の項目で示される
- スケジュールが遅れてるテストプロジェクトに関する情報を提示する
- 欠陥がないと思っている開発者に欠陥レポートを説明する
- 同僚をトレーニングする
- 効果的でないプロセスに関して、問題をマネジメント層に提示する
- 同僚が作成したテストケースをレビューし、その同僚にコメントを提示する
- 同僚をインタビューする
- 開発者を称賛する
テストマネージャは論争の起こりそうな状況を和らげ、必要なコミュニケーションのために使用する正しい手段を把握した上で組織内に適切な人間関係を構築し維持しなければならない
7.4 組織内におけるテストの適合
テストの独立性は以下のように大きく変動する
- 独立したテスト担当者がいない
- 独立性はない。開発者自身が自身のコードをテストしている
- 開発者はテストの時間があれば意図した通りに動作するか判定する
- 開発者は見つけた欠陥を迅速に修正できる
- テストを、コードを書いた開発者と異なる開発者が実施する
- 開発者とテスト担当者の間にほとんど独立性がない
- 他の開発者のコードをテストする開発者は欠陥レポートを出すのに消極的になることがある
- テストに向かう開発者の気持ちは通常、正常系のテストケースに集中する
- テストを開発チームに属するテスト担当者が実施する
- テスト担当者は、プロジェクトマネジメント担当または開発マネージャにレポートを出す
- テスト担当者の気持ちはどちらかと言えば要件への準拠の確認に集中する
- テスト担当者が開発チームのメンバであるため、テストだけでなく、開発の責任も負うことがある
- テスト担当者のマネージャが品質目標を達成することよりもスケジュールを維持することに重点を置くことがある
- チーム内でテスト活動が開発活動より低いステータスを割り当てることがある
- テスト担当者が品質目標または目標の維持に影響をおよぼす権限を持たないことがある
- ビジネス組織、ユーザコミュニティ、その他の開発に関わってない技術組織からのテスト担当者がテストを実施する
- テスト結果情報をステークホルダに対して客観的に報告する
- 品質がこのチームの第一関心事にある
- テストではスキルの開発上トレーニングに焦点を当てる
- テストはキャリアパスとして見なす
- 品質を第一の関心事にしているテストグループに専任のマネジメント担当がいる
- 外部のテスト専門家がそれぞれのテストタイプについてテストを実施する
- 一般化したテストでは不十分である特定の領域に専門知識を適用する
- テストタイプは使用性、セキュリティ、性能、特殊性を求める他の領域などである
- 個人においては品質に焦点をあてるべきだが、視点は特殊性の領域に限定する。
- テストを企業の外部組織が実施する
- テスト担当者と開発者の間で最大の独立性を実現する
- テスト担当者がテストを的確に行うための知識の移転が不十分になる可能性がある
- 明確な要件およびしっかり定義されたコミュニケーション構造が必要になる
- 外部組織の品質を定期的に監査しなければならない
7.5 モチベーション
テスト担当個人にモチベーションを与える方法は次のようなものがある
- 達成した仕事に対する評価
- マネジメント層から認められる
- プロジェクトチーム内および同僚からの敬意
- 責任と自己裁量を増やす
- 成し遂げた仕事に対する適切な報酬
テストマネージャはテストチームの個人のモチベーションを向上させるのに重要な役割を果たす。テスト担当者の達成事項を認識し、過ちに対して公平で誠実な評価を与えなければならない。公平で一貫性を備えたテストマネージャは自らを範を示すことによってチームメンバのモチベーションを向上させる。
7.6 コミュニケーション
テストチームのコミュニケーションは次のようなもので行われる
- テストプロダクトの文書化、テスト戦略、テスト計画、テストケース、テストサマリレポート、欠陥レポートなど
- レビュー済みのドキュメントのフィードバック:要件、機能仕様、ユースケース、コンポーネントテストのドキュメントなど
- 情報の収集と拡散、開発者、他のテストチームメンバ、マネジメント層など
テストマネージャはさまざまなコミュニケーション手段を自由に使いこなせなければならない。すべてのコミュニケーションを専門的で客観的に行わなければならない。
緊急を要するコミュニケーションの場合でも、品質と内容の両方を担保しなければならない。
テストマネージャにとって、品質を推進する組織を表す専門的な品質のドキュメントを作成することが重要である。
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