RDS ではパラメーターにまったく問題ないのに Incompatible-parameters が発生する場合がある


AWS の RDS では Incompatible-parameters というエラーが発生し、インスタンスを起動できなくなる場合があります。そのエラーに遭遇してしまったのですが、一般に言われている方法では解決できなかったので報告します。

結論

再起動を繰り返すとパラメーターが正常でも発生する場合がある。しばらく待つ事で起動できるようになる。

経緯

RDS に限らず RDBMS では起動直後の状態と、インデックス等必要な情報を十分メモリに蓄積した状態とでは性能にかなりの違いがあります。今回、RDS で作成した MySQL のインスタンスの起動直後のパフォーマンスを調査するために何度も再起動を繰り返していたのですが、データベースのステータスが突然 Incompatible-parameters になってしまい起動できなくなりました。

公式情報を調べる

調べてみると、すぐに日本語の公式なナレッジが見つかりました。

要約するとカスタムパラメータグループの設定に問題があり、インスタンスの起動に失敗しているという事になります。カスタムパラメーターグループとはデータベースをチューニングするためのパラメーターのグループであり、MySQL の my.cnf に相当する物です。

自分でインストールした MySQL でも my.cnf の内容が間違っていれば起動できない場合があります。Incompatible-parameters はその状態に相当するエラーであると考えられます。

パラメーターに問題のない事を確認した

RDS は十分なパフォーマンスを発揮できる状態にチューニングされていると考えられますが、必要に応じてパラメーターの調節ができるようになっているわけです。今回、確かにパラメーターグループを新規作成し一部のパラメーターを書き換えていますので、その設定が間違っているのだと言われたら、確かにそうなのかも知れません。

しかし、

  • 直前まで同じパラメーターで起動できていた
  • パラメーターを再度確認し、起動が不可能な要素を見つけられなかった
  • 同じパラメーターで新たにインスタンスを作成したが、起動も再起動も問題なく実行できた

というような状態であり、どうも公式ナレッジに記載されている状態とは異なるようでした。

サポートに問い合わせ (解決)

サポートに問い合わせた所、1営業日程度で返事が届きました。結論としては最初に書いた通りになりますが、カスタムパラメーターグループを利用しているインスタンスにおいて、何度も再起動を繰り返していると incompatible-parameters になり、起動できなくなる場合があるとの事です。今回は起動直後の状態の試験を行っていた最中でしたので、再起動は10回程度行っていました。しばらくすると自然回復するそうで、確かに問題のインスタンスはいつの間にか起動していました。

そういう物だと受け入れましょう

詳細な原因については非公開との事でしたが、再起動を繰り返す事で、RDS がなんらかの異常が起こっていると認識してしまったのかも知れません。ユーザーの立場としては「そういう事がある」と受け入れざるを得ないのが現状です。

今回は検証環境での出来事なので実害はありませんでしたが、本番環境をメンテナンスする時等には必要以上に再起動を行わない等の注意が必要だと思います。特にパラメーターチューニングを伴うメンテナンスの時には、本当にパラメーターが間違っている場合との区別が難しい可能性があります。そんな時は是非この記事を思い出して下さい。

何度確認してもパラメーターの間違いが見つけられないのに incompatible-parameters が出続ける場合は、同じパラメーターグループで別のインスタンスを立ち上げてみると良いと思います。