Crystal Enterpriseを使用するアプリケーションの移行

アプリケーションをJRC(組み込み型レポート・スキーム)から完全なCrystal Enterpriseソリューション(エンタープライズ・レポート・スキーム)に移行すると、ランタイム・レポートの作成、ランタイム・レポートの変更をCrystal Reportsレポート(.rpt)ファイルに保存、レポート管理、セキュリティ、計画などの追加機能が提供されます.Crystal Enterpriseサーバは、拡張性とパフォーマンスを向上させ、大量のユーザーの同時需要をサポートします. 
Java Reporting ComponentからCrystal Enterpriseへのアプリケーションの移行
アプリケーションが拡張性とレポート修正機能を追加する必要がある場合は、レポート・サーバをRASにアップグレードし、既存のコードに最小限の変更を実行してアプリケーションを迅速に移行できます.Crystal EnterpriseはRASオブジェクトモデルを使用します.RASは、Java Reporting Component以外の追加の伸縮性とレポート修正機能を提供します.
RASを使用するためにWebアプリケーションを移行するには、まずRASを取得してインストールする必要があります.RASを正しくインストールして構成すると、Webアプリケーションを移行できます.
Java Reporting ComponentからRASへの移行経路は、アプリケーションがReportClientDocumentクラスを使用するかどうかによって異なります.
ReportClientDocumentクラスを使用したアプリケーションの移行
WebアプリケーションがReportClientDocumentクラスを使用してレポート・ソースを取得する場合は、Java Reporting ComponentネーミングスペースではなくRASネーミングスペースを使用するために、JSPインポート文を変更する必要があります.
たとえば、com.crystaldecisions.reports.sdk.*をcom.crystaldecisions.sdk.occa.report.application.*に変更します.
RASサーバの場所も指定する必要があります.
ReportClientDocument clientDoc = new ReportClientDocument();
clientDoc.setReportAppServer("SERVERNAME");
ReportClientDocumentクラスを使用しないアプリケーションの移行
注:ReportClientDocumentクラスを使用してレポートを表示またはエクスポートすることをお勧めします.
WebアプリケーションがReportClientDocumentオブジェクトを使用しない場合は、Java Reporting Componentクラスの代わりに適切なRASクラスを使用するようにコードを変更する必要があります.この操作を実行するコードは、管理されているRASと管理されていないRASのどちらを使用しているかによって異なります.
元のJava Reporting Componentコードを次に示します.
IReportSourceFactory2 rptSrcFactory = new JPEReportSourceFactory();
Object reportSource = rptSrcFactory.createReportSource(report, request.getLocale());
Crystal Enterpriseプロフェッショナル版
Crystal Enterpriseプロフェッショナル版などの管理環境で、com.crystaldecisions.reports.reportengineinterface.JPEReportSourceFactoryをインポートするインポート文を削除します.元のJava Reporting Componentコードを次の形式に変更する必要があります.
IReportSourceFactory2 rptSrcFactory = (IReportSourceFactory2)enterpriseSession.getService("RASReportFactory");
Object reportSource = rptSrcFactory.createReportSource(report, request.getLocale());
注:上記のコードは、有効なenterpriseSessionオブジェクトを作成したと仮定します.
Crystal Enterprise組み込み版
Crystal Enterpriseインラインなどの管理対象外の環境で、com.crystaldecisions.reports.reportengineinterface.JPEReportSourceFactoryをインポートするインポート・ステートメントを削除します.その後、com.crystaldecisions.sdk.occa.report.application.reportsourcefactory.RasReportSourceFactoryをインポートするためにインポート・ステートメントを追加する必要があります.また、元のJava Reporting Componentコードを次の形式に変更する必要があります.
IReportSourceFactory2 rptSrcFactory = new RasReportSourceFactory();
Object reportSource = rptSrcFactory.createReportSource(report, request.getLocale());
管理されていない環境では、RASサーバの場所も指定する必要があります.RASの場所の指定の詳細については、レポート・アプリケーション・サーバのJava SDKガイドを参照してください.