DigiCertでEV SSL証明書を取得するまでのステップ


まえがき

日本ではあまり知られていないのですが、DigiCert というSSL証明書の事業者があります。
2016年4月度のCertificate Authority Market Share Reportによれば、DigiCertはGlobalSignやSymantec(旧Verisign)も大きい11%強のマーケットシェアを持っていて、GitHub, Facebook, Twitter, LinkedInなどが同社のSSL証明書を利用しています。

ものは試しと言うことで、関わっているサービスのEV SSL証明書をDigiCertで取得してみたときの記録です。
EV SSLなので発行までに2週間ぐらいかかるかなぁと覚悟していたのですが、3日で取得できました。早い!

EV SSL証明書を発行してもらうためのステップ

EV SSL証明書の発行に当たっては、次の4つのステップがありました。

  1. CSRの作成とアップロード
  2. D-U-N-S番号Google My Businessの情報を教える
  3. DigiCertのサポートから電話がかかってきて、連絡先情報や企業の情報の確認をされる。
  4. 証明書が発行されるので、ダウンロードしてサーバーに設定

1.CSRの作成とアップロード

これは、どの証明書事業者を使う際でも行う作業なので省略。

2.D-U-N-S番号かGoogle My Businessの情報を教える

EV SSLの取得に当たっては、発行対象の企業が実在していることを証明書事業者が確認する必要があります。そのために利用するのがこれらの情報。どちらを使ってもよいです。

D-U-N-S番号は、ダンアンドブラッドストリート社が企業一つ一つに対して一意に割り当てている番号で、D-U-N-S番号検索で検索することができます(割り当てられていなければ申請して割り当ててもらえます)。

Google My Businessは、Google上に企業情報を掲載する際に使うツールで、掲載するに当たっては実在確認が行われます(Googleから認証コードが書かれている葉書が自社の住所宛に送られる or 自動音声電話による認証が行われる)。

3.DigiCertのサポートから電話がかかってきて、連絡先情報や企業の情報の確認をされる。

D-U-N-S番号かGoogle My Business情報をDigiCertに教えた後で、DigiCertの担当者から、申請時に記載した自社番号宛に電話がかかってきます。
ここでは、自分の名前や肩書きなど聞かれるので、適宜答えます。また、本人確認のため、上司に電話代わってと言われることもあります。

英語でのやりとりになりますが、そんなに難しい英語ではないのでがんばりましょう!
ちなみに、米国時間にやりとりすることになるかと思いきや、全世界にDigiCertの担当者が居るらしく、日本のビジネスアワーに電話してきてくれました。

4.証明書が発行される

電話確認が終わった後で1時間もすると、EV SSL証明書の発行が発行されます。

DigiCertが良かった点

とにかくサポートのレスが早い

24/365のサポート体制があるらしく、いつメール連絡しても30分以内ぐらいにレスが返ってきました。
日本のSSL事業者だと平気で半日とか数日待たされることもあるので、すごく早く感じました。

安い

EV SSLでは一番安い気がします。
1ドメインだけのEV SSL(Extended Validation SSL Plus)だと1年間$295(約3.3万円)。
3ドメインまでのEV Multi-Domain SSLだと1年間$489(約5.4万円)。

まとめ

海外のサービスにもかかわらず問い合わせメールも即レス対応で、なおかつお買い得な価格設定のため、大変満足しました。
SSL証明書というある意味コモディティー化した商品を、他社を圧倒する顧客サービスを武器に売っていて、商売の仕方としても参考になりました。