iOSアプリエンジニアがM1搭載Macを購入するにあたっての検討事項
こんにちは。iOSアプリエンジニアの @zrn-ns です。
今月上旬、Apple独自チップであるM1チップを搭載したMacが登場しましたね。
発表イベント前までは(どうせ性能はIntelには及ばないだろう...)なんて思っていたんですが、実際はとんでもないバケモノ。
お値段据え置きにもかかわらず、既存のMacの中でも最上位モデルにも匹敵するほどの処理性能を持っている上、消費電力もめちゃくちゃ少ない。これまでのMacの歴史を塗り替えてしまうようなものが出てきてしまいました。
普段iOS開発をしている僕としては、すぐにでも購入して試してみたい衝動に駆られたのですが、いかんせん3機種(MacBook Air/Pro, Mac mini)同時に発売されてしまったこともあり、どのモデルを買うか、どのようにカスタマイズするか、かなり迷いました😫
今回はiOSアプリエンジニア視点で、どのモデルをどんな構成で購入するか検討していきたいと思います!
🚨 そもそも今M1 Macを買うべきでないユーザ
そもそも、現段階ではまだM1のMacを買うべきではないユーザもいます。
それは、 利用予定のソフトウェアが、まだM1 Macで動作しない ユーザと、
外部ディスプレイを複数接続して作業することを想定している ユーザです。
既にご存知の方も多いとは思いますが、M1チップはこれまでのIntel製チップとアーキテクチャが異なるため、これまでMacで動作していたIntelチップ向けのソフトウェアが動作しなくなる可能性があります。
基本的には Rosetta21 というApple製のトランスレータを使うことで動作させることが可能ですが、全てのアプリが動作するわけではないようなので、その点については注意が必要です。
各種開発ツールのM1 Macへの対応状況については、 @shibukawa さんの記事( https://qiita.com/shibukawa/items/797b7cbb7e530842e6f7 )がよくまとまっているようなので、事前に確認しておくことをおすすめします。
(もちろん今後1〜2年の間にM1チップ向けの対応が進んでいくにつれて、この問題は解消していくはずです。)
また、 Mac miniでは2枚まで、MacBook Air/Proでは1枚までしか外部ディスプレイを接続することができません。
例えばMacBook Air/Proに複数ディスプレイを接続して、クラムシェルモードで運用するような使い方はできないので、注意しましょう。
(来年以降に登場するMacでは改善してほしい🤕)
💻 機種ごとの違い
🎬 GPU性能
今回発表されたMacは、基本的に同じ性能のM1チップを積んでいます。
ただしMacBook Airのうち、 ストレージが256GBモデルは、GPUのコア数が他の機種よりも1つ少なくなっています (その分価格が抑えられています)。
エンジニアとしては高性能こそ正義💪なので、基本的にはGPUコア数も多いものを購入したいですが、iOSアプリ開発用途であればそこまで性能差を感じることはないと思うので、ここは個人の好みだと思います。
(動画編集などを行いたい場合や、高解像度モニターに接続したい場合には、GPUコア数が多いものを買っておくのが無難そうですね)
🔋 MacBookの方が省電力性能を体感できる
M1 MacはIntel Macよりも圧倒的に省電力のため、MacBook Air/Proではコンセントがない場所でも長時間の作業が可能です。
Appleの公称値では、MacBook Proは最大17時間のワイヤレスインターネット、MacBook Airは最大15時間のワイヤレスインターネットが可能と記載されています2。
実際に使った人のレビューを見ると、MacBook Proでは実測8時間程度の動画編集作業に耐えられるようです。3
長時間外で作業する方にはMacBook Proのほうがいいかもしれませんが、正直8時間も電源なしで作業することなんてほとんど無いので、個人的にはAirでもProでもどちらでも良いかなと思います。
また、M1チップを搭載したMacはほとんど発熱しないらしいです。これまでのMacBookは膝の上に載せて作業するとすぐにアツアツになりましたが、今後はその悩みは解消しそうですね。
💸 MacBook Air/Proはバッテリーの劣化によるメンテナンスコストが発生する
MacBook Pro/Airはリチウムイオンバッテリーを積んでいるため、バッテリーの経年劣化が発生します。
バッテリー交換費用は13000円程度とそこまで高くはないですが、メンテナンス費を抑えたい人にはMac miniがおすすめです。
ただし、M1チップは「熱」が発生しづらいため、従来のMacBookほどリチウムイオンバッテリーの劣化がしづらい可能性があります。
そういう観点では、バッテリーの交換コストはそこまで心配しなくてよいのかもしれません。
👆 TouchBar搭載か
MacBook ProにはTouchBarが搭載されていますが、ほとんど使わないですし、個人的には考慮に入れなくていいと思います。早くProからも廃止してほしい
強いこだわりがある人はMacBook Pro一択ですね。
🔑 TouchID搭載か
MacBook Pro/AirにはTouchIDが搭載されていますが、miniには搭載されていません。
スリープ解除時にパスワードの入力を省略できるのはもちろん、ブラウザでのクレジットカード番号を入れる際やAppStoreでの購入、設定の変更時など、色々な場面で本人確認の代替手段として利用できるので、あると結構便利な機能です。
⌨️ Mac miniはモニターやキーボード、マウス、トラックパッドなどの周辺機器の購入が必要
Mac miniにはキーボードやマウス、トラックパッドなどの周辺機器が付属しないので、別途購入が必要です。
MacBook Air/Proを買うことでこのあたりの費用を浮かせられますが、MacBook Air/Proを買う場合は別途USB-Cハブを購入する事になったりするので、割と周辺機器の購入費用はトントンだったりします。
🖥 ディスプレイ接続枚数について
Mac miniは2枚まで外部ディスプレイを接続できるのに対し、MacBook Pro/Airは1枚までしか外部ディスプレイを接続できません。(一部例外あり4)
家での作業がメインで、複数の大型ディスプレイで作業したい場合には、Mac miniを選ぶのが無難そうです。
💨 ファンレスかどうか
MacBook ProとMac miniは排気用のファンが搭載されていますが、MacBook Airはファンレスになっています。
ファンレスだと、高負荷な処理を行った際に排熱が追いつかずに処理性能が低下することがありますが、そもそもM1チップが発熱しにくいため、MacBook Proを使っていてもほとんどファンが回ることは無いらしいです。
そうなると、ファンの有無はあまり重要ではないということになります。
🏋️♀️ 重量やサイズ感について
MacBook AirとProの重量差は110g程度です。
人によって捉え方は違うかもしれませんが、本体重量の10%程度しか変わらないので、その差を体感する機会はほぼ無いと思います。
サイズについてもほぼ同一で、Airの方がパッと見薄く見えますが、厚い部分の差はほぼありません。(というか寧ろAirのほうが厚い🤔)
🛠 カスタマイズについて
🎨 メモリ8GBモデルか、16GBモデルか
最近はメモリ32GBや64GBが当たり前だったので、メモリが16GBまでしか選択できないことには不安に感じましたが、M1チップに搭載されている ユニファイドメモリ はこれまでのメモリの概念とは少し異なるもののようです。
またSSDもこれまでの2倍程度に高速化しており5、スワップが発生しても高速に動作するため、メモリ不足によりスピードの低下を体感することはほとんど無さそうです。
Xcodeでのビルド時間はやはり16GBの方が早いらしい6ですが、そこまで大きな差ではないので8GBでも十分使えるような気はしています。
しかしメモリは後から拡張できない部分なので、多少でも不安があるのであれば、後悔しないためにも16GBに拡張しておくことをおすすめします。
💾 SSDの容量について
iOSアプリ開発で使用する場合、プロジェクトの規模にもよるかと思いますが、基本的には1TB程度容量があると容量不足になることはほぼ無いと思います。
さらに言えば、こまめに不要なファイルを削除する人であれば、512GBでも十分かと思います。
自宅のメインPCとして使用する場合や写真や音楽、動画ファイルを保存したいなどの用途がある場合については1TBで収まらない可能性もありますが、その場合は外付けのSSDを別途購入する方がコスパは良いかと思います。
💵 価格について
Apple公式サイトにて、下記のスペックでカスタムした場合の各Macの価格を比較してみます。
- メモリ: 16GB
- ストレージ: 1TB
機種 | GPUコア数 | 金額(税抜) | 金額(税込10%) |
---|---|---|---|
Mac mini | 8 | 132,800円 | 146,080円 |
MacBook Air 13インチ | 7 | 164,800円 | 181,280円 |
MacBook Air 13インチ | 8 | 169,800円 | 186,780円 |
MacBook Pro 13インチ | 8 | 194,800円 | 214,280円 |
ちなみに、メモリを8GBにすると -20,000円、ストレージを512GBにすると -20,000円になります。
その他検討材料
📅 納期
AppleStoreでは2020/11/28(土)現在、カスタマイズしなければ12月上旬、カスタマイズすると12月中旬から下旬頃には配送してくれるようです。
Apple以外のオンラインショップ、量販店で購入すれば、ポイントももらえます。
カスタマイズ不要でとにかく早くほしい人は、量販店で購入するのもアリかと思います。
結論どのモデルを買うのか
この記事を書いたあと、MacBook Air13インチ(GPU8コア、メモリ16GB、SSD1TB)モデル を注文しました。
MacBook ProとAirを比較すると、Proのほうが優れているのはバッテリー持ちくらいで、その差に3.5万円を払うのは勿体ないかなと感じます。
MacBook AirとMac miniを比較すると、MacBook Airは3.5万円ほど高いですが、TouchIDが搭載されていますし、ふとしたタイミングで外に持ち出すことができます。
そして何より、Mac miniではM1チップの省電力性能を体感する事ができません! せっかくこのタイミングで買うのなら、バッテリー搭載のモデルを購入したいですよね。😊
ただ、外に持ち出す予定がなく、複数の外部モニターを繋いで作業したい人には Mac miniがオススメかなと思いました。
もし急いでいない場合は、来年以降に登場するであろうモデルを待つのも良いかもしれませんね。
ちょっと出遅れた感じがありますが、少しでも皆さんのMac選びの参考になれば幸いです。
ではでは👋
2021/02/11 追記
購入後1ヶ月半が経ちましたが、購入したモデルにかなり満足しています。
iOSアプリのビルド程度では本体が熱くなるようなことはほぼありませんし、ガッツリ開発で利用してもバッテリーは丸一日持ちますし、スリープしていてもほとんどバッテリーは減りません。
引き続き、カスタマイズの内容次第では納期が1ヶ月後くらいになるようですので、購入検討している方は早めに注文することをお勧めします。
ちなみにストレージは1~2割しか使っていないので、開発目的であれば512GBでも十分かもしれませんね。
Author And Source
この問題について(iOSアプリエンジニアがM1搭載Macを購入するにあたっての検討事項), 我々は、より多くの情報をここで見つけました https://qiita.com/zrn-ns/items/968d8a1efa990a35da27著者帰属:元の著者の情報は、元のURLに含まれています。著作権は原作者に属する。
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