[夏の自由研究] CMYK その1


序文

夏休みなので自由研究を初めました、
僕はときどきマンガを描きます。なので、AdobeのPhotoshop、Illustratorとは随分長い付き合いです。

なんですけど。

近頃、"CMYK"という形式に疑問を持つようになりました。これまでずっと「印刷するならCMYK」と、おばあちゃんの言いつけみたいなノリで守ってきたんですが、どうしてCMYKでなければいけないのでしょう? 立ち止まって考えてみるとよく分かりません。論理的に説明することができません。「プリンタはCMYKしか扱えないから」というのは一見筋が通っているように思えますが、なんだか変です。論理がすっ飛ばされています。

そんなわけでお勉強です。

プリンタはRGBを、モニタはCMYKを扱えない

とりあえず基本的なところから。

RGB(A)は、モニタ向きの形式です。インクで色を表現するプリンタはRGBイメージを正しく表示することができません。逆に、モニタのほうもCMYK形式で保存された画像データを、そのまま表示することができません。

じゃあ、イラレやフォトショでカラーモードをCMYKにして作業しているとき、目の前に表示されている「もの」は一体何でしょうか?

RGBイメージです。我々が見ているのは、元のCMYKデータをRGB形式に変換したプレビューなんです。

RGBからCMYKへの変換

RGBからCMYKにカラーモードを変換すると色が変わります。見え方が変わるだけでなく、データそのものが変換されて別ものになります。不思議なことにCMYKに変換されたはずの画像は「RGB値」を持っています。

で、RGB→CMYK→RGB→CMYK...とモード変更を繰り返していくと、どんどん色が変わってしまいます。

ひとつの問題として、RGBをCMYKに、完全な形で変換する方法がないことがあります。
こんな式がありますが、

RGB → CMYK
C=(1-R-K)/(1-K)
M=(1-G-K)/(1-K)
Y=(1-B-K)/(1-K)
K=min(1-R,1-G,1-B)

CMYK → RGB
R=1-min(1,C*(1-K)+K)
G=1-min(1,M*(1-K)+K)
B=1-min(1,Y*(1-K)+K)

いずれも近似値を算出する方法にすぎません。RGBは加法混合方式、CMYKは減法混合方式であり原理が根本的に違います。このため完全な変換は不可能です。

とりあえずここまで...