IoTシステム技術基礎検定 #15 協力がカギ


はじめに

最後です。
8章全てやって終了します。

今回取り組む内容

・8-1~8-5 (テキストP206-219)
IoTにおいて、複数の企業が集まってカバーする仕組みをエコシステムと呼ぶ。
ここでは、エコシステムに必要な連携方法や、業界を超えたIoTでの連携を見ていく。

8-1 IoTサービスの全体像

IoTサービスの階層

一般にIoTサービスは、テキストにあるような8つの階層に分けられる。

①対象(デバイス、センサ)
データ収集や、制御の対象。
⑥のサービスアプリケーションと対応付けられる。
②IoTエリアネットワーク
対象との接続を行う、エリア限定のネットワーク。
有線・無線LAN、Bluetooth、ZigBeeなど。
③IoTゲートウェイ
相互接続装置、エリアネットワークと広域通信網間の連携を行う。
データ集約やプロトコル変換など。
④広域通信網
広域に展開されるネットワーク網。
LPWAやセルラ網など。
⑤データ収集管理
各対象のデータの収集・蓄積・分析、制御など。
⑥IoTサービスアプリケーション
それぞれの分野に応じたアプリケーションサービス。
農業やインフラ、製造業など、実際の応答例。
⑦セキュリティ
階層ごとの適切なセキュリティ対策。
⑧プライバシー
個人情報や、それを類推できるデータを扱う場合は、
階層ごとのプライバシー保護を行う。

IoTサービスの提供範囲

事業者が提供するサービス範囲は、事業者で異なる。
利用にあたっては十分な検討が必須。以下が主な検討項目。

②IoTエリアネットワーク
利用者が準備する必要がある。
一部サービスでは、サービスに対応した機器を組立てる必要がある。
自動車はなどは、直接セルラーのような広域網に繋ぐ。
④広域通信網
一部のIoTサービスは、広域網含めて提供する事業者がある。
通信事業者の他に、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)として、
モバイル事業者の回線を借りて、自社サービスとIoTサービスに提供している事業者もある。
LPWAとの組み合わせで、低コストになるシステムもある。
⑤データ収集管理
ほとんどのIoTサービス事業者がデータの取扱、
アプリケーションインタフェースの提供をしている。
AI分析の利用も可能なサービスもある。

IoTサービス利用上の留意点

IoTサービスを利用する上での留意点が以下。

機能:IoTサービスが必要となる機能を提供しているか
費用:データ補完・分析の費用を見積もり、データ取得頻度を設定。
制度:国外に通信するシステムの場合、各国の規制を確認する。

また、セキュリティ、プライバシー対策が十分かも確認すること。

8-2 IoTプラットフォームとは

IoTプラットフォームの提供する機能

プラットフォームには様々なレベルが存在し、
センサデータ収集や、ネットワーク接続、ソフトウェア開発など、
様々なプラットフォームが存在する。
特に、IoTシステム構築の統合的なプラットフォームを、
IoTプラットフォームと呼ばれる。

データの橋渡しや、データの共通的な処理を担当する。
各社で定義は異なるものの、以下のような機能を持っていることが多い。

・アプリケーションやサービスの連携(業務システムや外部サービスとの連携)
・デバイス管理(デバイスの個体管理、接続管理)
・データ管理(データを収集管理し、可視化や配信する機能)
・ユーザ管理(ユーザ認証、権限管理)
・セキュリティ管理(センサやゲートウェイの認証、機器挙動監視)

ハブとしてのIoTプラットフォーム活用例

IoTプラットフォームは、
異分野にまたがったデータの受け渡しや、制御のできるハブ(中継機能)としての利用も期待される。
IoTプラットフォームを利用するには、共通のAPIや、標準のデータ形式が提供されている。
テキスト例では、別業界のデータを組み合わせつつ、プラットフォームを構築している。

8-3 異業種連携とは

IoTはすべての業界にまたがると言われている。
業界間で協力し、競争しつつビジネス化を推進する必要がある。
以下はその例。

農業支援IoTシステム

農村では高齢化が進み、農業の人手不足が問題視されている。
そこで、田畑にセンサ群を設置してデータを集め、農作物の状況を分析し、
必要に応じて、温度調整や注水を行う。
収穫時期に近くなったら、農作物の様子をサーバ経由で販売業者に送ることも出来る。

一人暮らしの高齢者見守りシステム

家のセンサで、お年寄りの行動を観察。
データはIoTサーバに集められ、病院や介護サービスと共有する。

保管料の改定

1-12節にあってテレマティクスも、
情報収集システムと保険業界の提携といえる。

8-4 IoT標準化の動向

IoT標準化の意義と階層別の標準化団体

IoTのシステムは、製品普及を目的とした規格化や標準化が行わている。
テキストのように、アプリケーション層、プラットフォーム層、
広域ネットワーク層、狭域ネットワーク層、デバイス層などに対応する団体が存在し、
それぞれ競合、協力関係にある。

oneM2M

oneM2Mは、2012年に欧州、米国、アジアの7つの電気通信系の標準化団体に設立され、
多くの団体や期間が参加している。
M2Mに関する仕様書「M2Mサービスレイヤ」を作成している。

LPWA業界団体

センサデータのような小さなデータを頻繁に送る通信は、
大きいデータの送受信用に開発された通信方式を使うには向いていない。
LPWAネットワークは、こうしたデータの送受信に向いている。
従来のZigBeeやWANと違い、低ビットレートで低消費電力、遠くまで通信できる技術として注目されている。

LPWAは、
通信事業者が奨励するセルラー系(3GPP)と、
IEEEや業界が奨励する非セルラー系(LoRa,Sigfox,IEEE)がある。

標準化の課題と今後の動向

1つのアライアンスや、団体によるIoTの標準化は難しい。
水平階層に存在する業界アライアンスが統合する傾向がある。
国家プロジェクトとして、国境を超えて協力する形もある。

8-5 IoTエコシステムとは

エコシステムは、動物系の循環系を示す言葉だが、
IoTエコシステムはIoTを通じだ企業間の連携体系を指す。

IoTエコシステムによる価値共創

IoTは、幅広い業種や分野からの参加が必要になることから、
世界的なコンソーシアムや、仲間づくりによるエコシステム作りが進んでいる。
まず、エコシステムからどういった価値を創造するか、目的を明確にし、
達成するための仮説設定、
可能なら実証実験をとして、エコシステムの適合性を確認し、
設計・構築を行う。
運用段階では、CPSのデータ循環に基づき、得られたデータを分析し、改善点をフィードバック。
留意点として、共同体の構成メンバーの選定がある。
ユーザ視点で見れる人の参加も重要になる場合がある。

エコシステム(運用):
企画→製造→販売→工事→保守→企画・・・

製造業におけるIoTシステム例

製造業、1つの工場に閉じたシステムと、
外部工場や流通との連携を見た場合のシステム例。
テキスト①は製品の企画から製造→販売→保守となっており、
部品の売り手との連携、工場機器の故障予測など、IoT技術を活用する。
②は、他工場との部品共有で連携、情報共有などでエコシステムを形成。

IoTは全産業に関わり、社会や産業、個人のライフスタイルを変革する可能性がある。
組み合わせやアイデア次第で新たな展開が起きるIoTエコシステムには注目していきたい。

試験に出てきそうな内容

IoTの全体像、プラットフォーム、異種業間での連携が大事。

IoTサービス全体像

全体の構成のイメージ
→テキストで、どんな構成かイメージを覚えておく。
・IoTサービスを利用する上での留意事項
→機能、費用、制度とは何で、他にはどこに留意するか

IoTプラットフォーム

IoTプラットフォームはなんのためにあるか

異業種連携

・どういった例があるか?

標準化

・標準化はなんのために行われるか?
・oneM2Mはどういった組織か?
LPWAが注目される理由は?
・LPWAはどういった分類がされるか?

IoTエコシステム

【重要】IoTエコシステムの流れ
→こちらもテキスト図見て思い出せるように。