マネージャーをやりたくなかった人が開発組織のマネージャーをやるまで


この記事は CrowdWorks Advent Calendar 2016 17日目の記事です。

はじめに

クラウドワークスのエンジニアで、現在プロダクト開発Div.にてマネジメント職についている @teriyakisan です。
社内には田中が数名いることもあってか、テリヤキさんと呼ばれることも増えてきました。

今回はもともとマネージャーをやりたくなかった私が、なぜやることになったか、やってみてどうだったかを(緊張感ありますが)書いてみます。

なぜやりたくなかったか

エンジニア界隈で「マネージャーやりたくない」という声は多いと思います。

  • 現場寄りでいたい
  • コードを書き続けたい
  • 給与は上げたいけど昇進にそこまで興味はない
  • マネジメント職につくとMTG増えて大変そう

とかが代表的かなと。

例にもれず私もそうで、クラウドワークスの組織拡大に伴いマネージャーポジションが全社的に増えつつあった昨年、自分がやるイメージはまったく湧いていませんでした。

数字を前提としたコミットメントをすることがマネージャーとしての責務として大きく、正直プレッシャーのかかるつらい立場にしか見えていなかったです。

また、「昇進」扱いで全社の中で前に出ることに対しても抵抗感を持っていました(ここは個人差あると思います)。

なぜやったか

その後組織の拡大と合わせて開発組織内でもマネージャーが誕生する中、やんわりとマネージャー打診を受けました。
チームリーダーを務め、社歴も長くなってきていたこともあったかと思います。

そこから半年くらい、なんとかマネージャーではなく他のロールを探っていきたいという会話をGMの@tsuyokと続けました(続けてもらいました)。

@tsuyokはしんどかったと思いますが、私自身は悩みつつもじわじわと「組織の未来をつくっていくこと」「一緒に働く人たちの未来を考えること」には興味を持ち始めていた気がします。

これまでなんとなく「マネージャー」というつらみの固まりで捉えていたものが、いくつかの役割を持ち合わせた職であることに気づき始めたのもこのタイミングでした。

結果、最終的に折り合いがついたのが、組織と人のマネジメントに特化した「EM(エンジニアリングマネージャー)」という形です。

EMは実際に「エンジニアリング」を「マネージ」するわけではなく、開発組織やそこにいる人たちを見ていくのですが、既存の「マネージャー」概念とは少し変えた立て付け(名前?)にさせてもらいました。

結局、もともと開発組織内で「マネージャー」と呼ばれていた人もいつの間にか「EM」と呼ばれるようになり、開発組織内にいればエンジニアじゃない人でも「EM」と呼ばれるようになったことは申し訳なかったので、ここで謝っておきます。

やってみてどうだったか

EMになり、これまでの自分の仕事と大きく違うと感じたのは「単一チームでなく全体最適を意識して組織を考えること」「組織の人たちと目標設定をして評価をおこなうこと」の2つでしょうか。

今それがベストな形で遂行できているとは思わないのですが、組織にいる人たちができるかぎりパフォーマンスを発揮し、次のステップを見つけて成長を続けることをサポートする意識は強く持つようになった気がします。

また、「組織全体」を考える機会、考えさせられる機会が増えたのも事実で、視野は広がってきている感覚は持ててきました。

そして現在

現在クラウドワークスのエンジニアのキャリア(役職)は、大きく3つに分類されています。

  • 技術系:CTO、Tech Lead
  • プロダクト系:PM(プロダクトマネージャー)、PO(プロダクトオーナー)
  • マネジメント系:GM、EM(エンジニアリングマネージャー)

以前は「CTO」「GM」くらいの定義しかなかったところからだいぶ整理されてきました。

直近、私自身はEMに加えPOにもなり、プロダクトの戦略を考えてもいます。

EMとしては組織や人の未来を考え、POとしてはプロダクトの未来をつくっていくので、否が応でも関係する部分は多く、そういう意味では両者の議論に参加し考えられることは現状ではプラスに働いている印象です。

POについては、数字だけではないもののプロダクト創出やサービスグロースへの責任がついてくるので、ブーメラン的にもともとのマネージャー像に含まれていた「プレッシャーのかかるつらい立場」になりうる気もしていますが、ロールが分かれていることで順番にチャレンジできているのは大きい気がします。

ゆくゆくはEMとPOどちらかのロールに集中する可能性もあるのかなと。

まとめ

改めて振り返れば「マネージャー」が何をする人なのかよくわかってなかったことも、やりたくない気持ちの多くを占めていたのかもしれません。

責務がある程度明確になり、ロールとしてもわかりやすく定義されたことで、何が求められるかもわかりやすくなり、何にチャレンジすべきかも見えやすくなりました。

一方、「現場寄りでいたい」「コードを書き続けたい」には少し距離ができつつもあり、その状況で新たな楽しみを見出しつつもあり、自分の中でもまだ葛藤がある状況です。

ただやってみないと見えないことも多いので、一旦やってみようと思える状況になったのは良かったかなと。

そんなところで、マネージャーをやりたくなかったけど今チャレンジしている人の話は終わりです。

明日はGMの@tsuyokによる「イケイケなベンチャーの開発チームが、普通の開発チームになってしまう5つの兆候」です。

引き続き CrowdWorks Advent Calendar 2016 をお楽しみください。