マネージャーとしてのミーティング(High OutputManagement引用)


はじめに (High Output Management とは)

元インテルのCEOのアンディ・S・グローブ氏が、
経営者や起業家、マネージャー向けに実践的なアドバイスをまとめられた経営書。
著名な起業家や経営者の多くによって賞賛されている。
これまでマネジメントについて学んだ中で、最初に取った一冊「High Output Management(ハイアウトプットマネジメント)」から得るものはとても多かったので、
そこで学んだことのメモを、ファイリングして行きたい。
 
 

マネージャーにとってのミーティング

ピーター・ドラッカー氏は、マネージャーが25%の時間をミーティングに使っていると、
それは組織不全の兆候だと言っている。
が、一方で、マネージャーの仕事の大部分は、
情報やノウハウの提供、意思決定やその支援であり、いずれもミーティングを通じて遂行されるものであるため、
ミテーィングはマネージャーの仕事そのもの、とも言える。
ミーティングの存在の当否を議論するのではなく、その時間を能率よく使うことに神経を使うべき。
ミーティングには、「プロセス中心のミーティング」と「ミッション中心(使命中心)のミーティング」の2種類がある。
 

プロセス中心のミーティング

知識の共有化と、情報交換が行われる定期的なミーティング。
代表的なものに、1on1、と、スタッフミーティングというものがある。

1on1(ワンオンワン)

マネージャーと部下間のミーティングで、仕事上の関係を維持する重要な方法。
マネージャーから部下へは、スキルやノウハウを伝え、物事のアプローチ方法を提案できる。
部下は、自分が何をやっているか、何に関心があり心配しているかの情報をマネージャーに詳しく伝える場。
開催頻度は部下のタスク習熟度による。部下のタスク習熟度が上がるにつれて、密着した監督のあり方から、
緩やかな監督のあり方へと変化する。
例えば、習熟度が低く経験の少ない部下には週1回。ベテランであれば2、3週に1回とか。

1on1で何を話し合うべきか。
部下が使用しているインディケーター、例えば、受注率や生産量、プロジェクトの状態などを話し合うのも良いが、
重点は、トラブルの存在を知らせてくれるインディケーターに置くべきである。
特に、潜在的な問題については極めて重要で、問題が明白でなくても何かが異常と言った直感にしかすぎない場合でも、
部下としては上司にそのことを率直に告げなければならない。
それが組織のブラックボックスを覗き込むきっかけになるからである。
上司は、部下に何が起こっているのか、困っているのか、を表立って説明するのを助けてやればよくて、
それを知り、コーチングする。
1on1が発揮するテコ作用は大きく、1時間の1on1で、半月や1ヶ月単位での部下の仕事の質を上げる可能性がある。

 

スタッフミーティング

マネージャーと部下全員が参加する部内会議であり、同僚間での接触や交流が行われる機会となる。
マネージャーは、その場でよく起こる意見交換や対立から物事を知る良い機会ともなる。
スタッフミーティングでは、
出席者3人以上に関係する事柄ならなんでもよく、ミーティングの中で2人だけに影響する問題に限られてきた場合、
その話をやめさせて、他の大勢のスタッフに関係するものに切り替えさせ、
一方で、その2人には後で話し合いを続けるように促す必要がある。
上司は、リーダーや観察者、進行係、質問者、意思決定者の全ての役割を果たすが、
講師役だけは不要である。
それをすると、自由討議を妨げ、ミーティングの基本目的を危うくしてしまうので、注意が必要。
もっとも重要なのは、ミーティングのコントローラであって、
討議を軌道に乗せ、部下を問題の研究と対応への矢面に立たせることである。
 

使命中心のミーティング

特定の成果を上げるために、一定の意思決定に到達するようにと企画されるミーティング。
司会者が鍵で、ミーティングの目標(何をする必要があるのか、そういう意思決定をしなければならないのか)をはっきりと理解していなければならない。

臨時の突発的な使命中心ミーティングは招集しないことに越したことはない。
万事がスムーズであれば、定期のプロセス中心ミーティングで全て面倒を見られるはずではあるが、
現実的には全体の20%程度は、使命中心ミーティングを開催せざるを得ない。
 

私が学んだこと

1回の1on1でその後の半月や1ヶ月の仕事の質を上下させる可能性があるため、
部下との会話力や、質問力を磨く必要があり、
その中で部下が困っていることを知ることで、しっかりコーチングする能力が求められる。