【RPA】シンクライアント操作への対応/ツール別比較


シンクライアントは業務で広く使われており、これをリモートからRPAで操作したいというニーズは結構あります。しかし、シンクライアントは基本的に画面画像の転送なのでGUI要素分解ができず、通常の方法だと座標や画像認識による精度の悪い方法での自動化にならざるを得ない状況です。また、デスクトップ仮想化でも親OSから見えるのは転送された画面画像なので同じ状況です。ただし、RPAソフトウェアによっては、シンクライアントの自動化に対して、各ソフトウェア毎に特別な仕組みをもっているものもあります。

ということで、主要なシンクライアントソフトウェア (Citrix XenDesktop/XenApp、Windows Virtual Desktop、Microsoft Remote Desktop Services (WinRDS)) やデスクトップ仮想化 (Microsoft VDI, Microsoft App-V, Hyper-V、VMware)への対応について主要5大RPAソフトウェア (WinActor、BizRobo!、UiPath、Automation Anywhere、Blue Prism)の比較をしてみたいと思います。

シンクライアント対応 - ずばり比較!

凡例
👍: メーカーが特別な対応をしています。特別なソフトウェア毎のアドインで対応します。
🔺: メーカーで特別な対応はしていません。画像認識と座標による対応になります。

RPAソフトウェア Citrix対応 WinRDS対応 その他 説明
WinActor 🔺 🔺 🔺 特に特別な対応はしていません。座標と画像認識での操作を行います。Citrix Ready Marketplace未掲載。
BizRobo! 🔺 🔺 🔺 DAでアプリケーションのウィジェット ツリーの認識が困難なアプリケーションに適用されるインテリジェント スクリーン オートメーション (ISA)を利用する。このオプションにより、プログラム インターフェースのグラフィカル表示からインターフェース エレメントを決定します。ただ、Citrix専用のAPIによる実装よりも精度が落ちてしまう。Citrix Ready Marketplace未掲載。
UiPath 👍1 👍1 🔺 サーバー側のプラグイン『UiPath Remote Runtime』、クライアント側のプラグイン『Citrix 拡張機能』を使って、v2018.4以降、Citrix Virtual Appsでセレクターを使えるようにしています。サーバー側でアプリケーションのセレクターを取得し、Citrix ICA Virtual Channelを使用してセレクター情報をクライアント側に送信します。その他のシンクライアント/デスクトップ仮想化については、画像認識の強化 (v2019.2以降パブリックプレビュー)によって対応します。Citrix Ready Marketplaceにも掲載済み。Windows Remote Desktop拡張機能もv2019 FastTrackより対応しています。Ultima IA-ConnectというCitrix Ready サードパーティツールでも対応できる。
Automation Anywhere 👍 🔺 🔺 11.3.2以降でAutomation Anywhere と Citrix ICA を組み合わせたソリューション『Automation Anywhere Remote Agent』を使うことでObject Cloningコマンドでオブジェクトをつかめるようになります。Agentはサーバー側にインストールします。11.3.3からCitrix自動ログイン機能が実装され、Citrix Ready Marketplaceに掲載された。Citrix Viewerという専用アプリケーションも提供している。その他のシンクライアント/デスクトップ仮想化については座標と画像認識での操作を行います。
Blue Prism 🔺1 🔺1 🔺 特に特別な対応はしていません。座標と画像認識での操作を行います。Citrix Ready Marketplace未掲載。Ultima IA-ConnectというCitrix Ready サードパーティツールで対応できる。

参考情報

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  1. Ultima IA-ConnectというCitrix Ready サードパーティツールで対応できる。