【RPA】オブジェクト指向のロボット作成/ツール別比較


ロボットのメンテナンスをなるべく省エネでやるには、ロボットの共通部品をまず作成してそれを組み合わせてロボットを作成していくオブジェクト指向型の作成方法になっていることが求められます。たとえば、CRMツールを自動化するロボットが300台あったとして、すべてのロボットが最初の手順としてCRMツールへのログインをする必要があるときに、CRMがバージョンアップしてログイン方法が変わった際に、ログイン部分が部品化されていない場合、300台のロボットをすべてメンテナンスしなければなりません。部品化されていれば、部品ひとつを修正すれば300台のロボットは修正の必要がありません。これは便利ですね!

ということで、オブジェクト指向のロボット作成について主要5大RPAソフトウェア (WinActor、BizRobo!、UiPath、Automation Anywhere、Blue Prism)の比較をしてみたいと思います。

オブジェクト指向のロボット作成 - ずばり比較!

凡例
👍: 部品開発は部品開発者が別途行い、ロボット作成者から隠蔽されており、かつロジック修正は部品側だけをすればよいといったオブジェクト指向になっている。部品作成には通常ロボット作成と同じテクノロジーで行える。
🔺: 部品開発は部品開発者が別途行い、ロボット作成者から隠蔽されており、かつロジック修正は部品側だけをすればよいといったオブジェクト指向になっている。部品作成には通常ロボットよりも高度なプログラミングが必要となる。
❌: ロジック修正はすべてのロボットを直す必要があり、オブジェクト指向になっていない。

RPAソフトウェア オブジェクト指向 説明
WinActor ライブラリという概念があり、標準ライブラリやクラウド上のプチライブラリやWinActor Brain Cloud Libraryといった仕組みができてきたが、あくまでもコードを作成するときのリファレンスであり、ライブラリ側で修正が必要な場合、修正必要箇所が自動的にロボット側に反映されるわけではなく、ロボット側を修正する必要がある。
BizRobo! スニペットと呼ばれる、自分が作成したよく使うコードを取っておき再利用する仕組みがあるが、あくまでもコードを作成するときのリファレンスであり、ライブラリ側で修正が必要な場合、修正必要箇所が自動的にロボット側に反映されるわけではなく、ロボット側を修正する必要がある。
UiPath 🔺 C#、VB.NET などでアクティビティライブラリを作成し、Nugetパッケージ化したものを取り込むことが可能です。パッケージはUiPath Go!と呼ばれるマーケットプレースで一般的なものが配布されており、これを利用することも可能です。部品の開発には、通常のロボット作成でフローチャートを作っていくよりも高度な、プログラミング言語の知識が必要となります。
Automation Anywhere 👍 Meta Botと呼ばれるロボット部品を別途開発することが可能で、これをサーバーから配布することで各ロボットで再利用が可能。Bot Storeと呼ばれるマーケットプレースで一般的なものが配布されており、これを利用することも可能です。通常のロボットとロボット部品を同じアクションリストを使って開発できることが特徴です。
Blue Prism 👍 ロボットを「プロセス」と「オブジェクト」を分けたオブジェクト指向のアーキテクチャで作成して、部品を再利用可能。Blue Prism DXと呼ばれるマーケットプレースで一般的なものが配布されており、これを利用することも可能です。

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