【まとめ】プロダクトマネージャーとして多様なステークホルダーと協働するときにやってよかったこと


この記事はモチベーションクラウドシリーズアドベントカレンダー2019の20日目の記事になります。

はじめに

こんにちは。梅原です。
自分は今年の1月にリンクアンドモチベーションに転職し、現在は今年7月に新規で立ち上げたコミュニケーションクラウドのプロダクトマネージャーをやっています。

プロダクトマネージャーは、多様なステークホルダーたちとうまく合意形成をしながら業務を推進していくことが求められます。
この記事では、この1年間を振り返りながら、プロダクトマネージャーとして多様なステークホルダーたちとうまく関係性を築くためにやってきたこと/今後やりたいことをまとめていきたいと思います。

プロダクトマネージャーに限らず、チームを超えて業務を進める必要がある方にも参考になれば幸いです。

プロダクトマネージャーの難しさ

プロダクトマネージャーは、関わるステークホルダーの多さ、求められる役割の多さから「ミニCEO」と呼ばれることもあります。
とても的を得た表現ですが、一方で誤解を生んでしまうこともあります。

例えば、『世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 トップIT企業のPMとして就職する方法』という本では、このようなことが書かれています。

プロダクトマネジャーをCEOと表現すると、最も重要なポイントの一つを見失ってしまいます。それは、プロダクトマネジャーは、チームのメンバーに対して直接の権限を持たないということです。

肩書きこそプロダクト「マネージャー」とついていますが、多くの組織においてプロダクトマネージャーは直接的な権限を持っていません。それでも、プロダクトマネージャーであるからには、年次役職に関係なく、各部門のメンバーやマネージャーに働きかけてプロダクトの成功に向けて周囲を動かしていくことが求められます。

「権限」ではなく「影響力」

権限がない中で、どのように周囲を動かしていくのか。
INSPIRED-熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメントでは

プロダクトマネージャーは製品開発チームのメンバーを直接管理しているわけではないので、メンバーに対して自分の命令どおりに動くように指示することなどとてもできない。そうではなくて、プロダクトマネージャーは、チームのメンバーに対して影響を与えることを通じて仕事を進めなければならない。

と書かれています。
つまり、プロダクトマネージャーは「権限」ではなく「影響力」によって多様なステークホルダーと関係性を構築し、仕事を進めることが求められます。

影響力の源泉

影響力とは「他に働きかけ、考えや動きを変えさせるような力」です。
(参考:https://kotobank.jp/word/影響力-443069)

THE TEAM 5つの法則によると、影響力には次の5つの源泉があります。

  • 専門性:「すごい」と思われる技術や知識を持っていること
  • 魅了性:「すてき」と思われる魅力を有していること
  • 返報性:「ありがたい」と思われるような支援や関与をしていること
  • 一貫性:「ぶれない」と思われる方針や態度を持っていること
  • 厳格性:「こわい」と思われる規律や威厳を持っていること

今回は、この1年を振り返りながら、多様なステークホルダーと関係性を構築するために
・やってよかったこと
・(できていなかったから)今後やりたいこと
を影響力の5つの源泉に沿ってまとめておこうと思います。

1.専門性

やってよかったこと

  • プロダクトに誰よりも詳しくなる
    • 新規でプロダクトを立ち上げた場合は自然と詳しくなると思いますが、既存プロダクトに新しくプロダクトマネージャーとして参画した場合は、とにかくここから始めましょう。困ったらこいつに聞けば分かるだろ、って周囲に思ってもらえればOKです。
  • 言葉を翻訳して伝える
    • 僕の先輩プロダクトマネージャーの方の記事にも書いていますが、ビジネスサイドにエンジニアの言葉をそのまま話しても伝わりませんし、逆もまた然りで、ビジネスサイドの言葉をそのまま話してもエンジニアには伝わりません。なるべく相手に分かる言語で説明することを心がけました。

今後やりたいこと

  • 競合プロダクトやベンチマークプロダクトに死ぬほど詳しくなる
    • 競合やベンチマークは調べてはいますが、正直今は、どんな機能があるかを知っている程度。世の中の色々なプロダクトを触り「良いプロダクトとは何か?良いユーザー体験とは何か?」というのにめちゃくちゃ詳しくなるのはプロダクトマネージャーとして必要な専門性かなと思っています。今後は、とにかく他社プロダクトを触りまくって、自分のプロダクトに活かせるところはないかを探す、というのをやっていきたいなーと思っています。

2.魅了性

やってよかったこと

  • ビジネスサイドの仕事を理解する
    • 色んな職種の人と関わるにあたり、相手が「何をKPIとして追ってるのか?」「何を達成したいのか?」「何が大変か?」を気にかけることがとても大切です。特にこの半年くらいは、セールスに同行する機会が多く、受注する瞬間にも、失注する瞬間にも立ち会うことができ、日々のセールスメンバーの戦いを近くで一緒に経験できたのはたのが良かったなと思います。相手の考えていること、相手の苦しさがほんの少し理解できるだけでも関係性は大きく変わります。
  • いろんな人と雑談する
    • なんだかんだでこれが一番大事だと思いました。
    • 単純に話す機会が増えると親近感が湧きます (ザイアンスの法則)

今後やりたいこと

  • システム構成やアーキテクチャを理解する
    • 自分はエンジニア出身ではないので、システム構成やアーキテクチャなどの理解がかなり浅いです。そのため、それに付随するエンジニアの苦しみをなんとなくでしか理解できていません。今後はその辺りも一定インプットして、もう少しエンジニアの思考に対する理解度も高めていきたいですね。

3.返報性

やってよかったこと

  • 間に落ちがちな小さな問題を解決しにいく
    • 例えば、ビジネスサイドからするとちょっとしたデータが簡単に取れるようになってるだけでめちゃくちゃ生産性上がったりすることもあるのですが、エンジニアとの距離が遠いとそういった問題が放置されがちです。そういう問題を拾って解決するのはよくやっていました。
    • 具体的にやったことでいうと、redashを共有してプロダクトデータを見れるようにしたり、Googleフォームで飛んでくる開発要望をslackに投げてすぐに見れるようにしたり、とかそんな感じです。本当に大したことないですが、意外と大事です。

今後やりたいこと

  • オペレーションプロセスの改善提案をする
    • 今は解決したいと言われているものを解決するにとどまっていますが、解決する手段を知らないが故に課題が課題だと認識されていないものもいくつかありそうだな〜と思っています。そういう部分を、いろんな職種をつなぐ立場にいる人間から提案できるようになりたいなと思っています。4日目の東山さんの記事はまさにそのいい例ですね。

4.一貫性

やってよかったこと

  • 意思決定の背景を説明する
    • 新規プロダクトの立ち上げなんて「昨日はAを作るって言ってたけど、やっぱりBの方が戦略に合致することが分かったら、Bを作ろう!」みたいなことがたくさん起こります。それをエンジニアに説明するときに「ビジネス上の都合で〜」みたいなかんじで背景を伝えることを怠ると、相手からするところころ言ってること変わるな、と不信感を抱きます(また言うこと変わるんじゃないの?みたいな)
    • 背景からきちんと伝えれば、エンジニアも納得感を持って開発に臨めるだけでなく、さらに良い案をエンジニア側から提案してもらえたりするので、これは本当にやってよかったなと思いました。

今後やりたいこと

5.厳格性

やってよかったこと

  • 厳格性が必要なときに上司を巻き込む
    • 言っても僕は社会人3年目の若造なので、正直、厳格性を発揮するってのがなかなか難しいです。特に他部署の偉い人にたいして何かを謝る/断る時とかは「ちょっとこれ自分だけでいくのきついぞ...」みたいなシチュエーションがあり、そんなときは上司についてきてもらってました。実際うちの会社の人はみんな良い人なので、不誠実なことをしない限りめちゃくちゃ詰められるとかないんですけど。とはいえ自分一人だと流石に。。。みたいなときはありますよね。
    • 困ったときは使ってくれていいよ、って言ってくれる優しい上司で助かりました。

今後やりたいこと

  • 依頼を自分で受けすぎない。しっかりとNoを言う。
    • 結構「返報性」とか「専門性」で影響力を発揮するのに頼りがちな節があるので、 なにか頼まれた時に断るというのが正直苦手です。本当にやるべきことに時間を使うために、ちゃんと基準を定めた上で断るものは断る、別の人に任せるものは任せる、ということをしないといけないなと思っています。

最後に

色々と書きましたが、大前提としてリンクアンドモチベーションは皆が会社の理念に基づいて働いているので、ステークホルダー間でのすれ違いというのが起きにくい組織です。プロダクトマネージャーとしてはとても働きやすい環境だと思っています。
本当に日々色んな人に助けられていて感謝しかありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後やりたいこと、で書いたことができているかどうかはまた来年。(書くとは言ってない)


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