なぜ、データ分析は費用対効果が悪いのか?


データのブームはなんども起こり、なんども終わっています。

なぜブームは終わるのか?

データマイニングにはじまって、ビッグデータと、データのブームはなんども起こっています。オープンデータも、一時もりあがりました。でも、データを使って何か成果を上げているのでしょうか? データを分析する労力に比して成果があがっていないように思えます。それはなぜでしょうか? ちょうどコロナウイルスの感染状況を見るオープンデータのサイトがアップされて話題になりました。対応の迅速からいって素晴らしいとは思います。ただ、問題があります。データが公開されたら、感染はおさまるのでしょうか? そんなことはありません。データに基づいた行動が必要です。  オープンデータが活用されないのは、行動が起こる部分が意識されていなかったからです。多くのデータが公開されましたが、そのデータに基づいて何か生産的な行動をとることができなかったからです。なぜ生産的な行動がとれないかは、はっきりしています。コロナの場合で言えば、単純な感染数などでは、現状がわかるだけです。感染数が多いから、対策をうたなくてはいけない、まではわかりますが、どんな行動が効果的かまでは示してくれません。 データが活用できると素晴らしいはずだという期待は裏切られます。それでブームはさります。

なぜブームがなんども始まるのか?

ビッグデータや、オープンデータのようなブームがなんども起こるのは謎に思えるでしょう。ただ、なんかデータがあるとよいことがあるという本能的な期待があるのではないでしょうか? そうでないと説明がつきません。それは簡単に説明がつきます。 製造業ではデータに基づく予想は非常に役立ちます。物流、在庫管理、生産管理のあらゆる分野でデータ解析は役立ちます。金融でもそうでしょう。データに基づく予測は、適切に機能する領域なら非常によく機能し、データを取る必要があるかないかなど議論になりません。それで、潜在意識的にデータは重要だと思っているのでしょう。ただ、データが重要だと思うのは潜在意識的なので適用できない分野にも無意識に適用できると過度の期待をもつのではないでしょうか?

どうしたらいいかは、なぜなぜ分析にヒントあり

行動に影響を与えるデータ分析は、適切な問い(なぜ)からはじまる必要があります。漠然とデータを眺めていても有益な知見を得ることができません。参考になる発想は、なぜなぜ分析です。トヨタが原点の問題解決手法です。ただ、なぜなぜ分析は、課題が発生してから行うものなので、データから、逆に問題点を発見するのは難しいです。それでどうしたらいいかですが、まず、明らかなテーマを選び、その観点からデータを分析します。貿易統計とコロナの問題では、『サプライチェーンで問題となるのはどこか?』とい観点を設定します。一国集中している国と代替国はどこになるかを調べます。こういった観点を持てば、現時点で存在しているデータも課題解決の宝庫になるでしょう。