RPAといままでの自動化の違いについてまとめてみた


RPAを導入する際に、特に技術者から出てくる意見として「いままでの自動化と何が違うの??」「それExcelマクロやVBAでもできますよね?」「UWSC、VBS/JScript/PowerShell/Python+Selenium、SikuliXでやったほうが無料だしいいよね?」といった話があがります。RPAといままでの自動化について、何が違うのか、要点をまとめてみました(^^)/

ポイント1: プログラミングができない非技術者でも使える

まず、「RPAじゃなくても自動化できちゃうよ」というRPA不要論を唱える人はほとんどが技術者(特にプログラマ/開発者)です。技術者であれば、自分のプログラミング技術を使って様々な言語と無料のツールを使って自動化を行えてしまいます。UIの操作も基本はマウスとキーボードのエミュレーションであり、正しく操作するための要素分解もWindowsやブラウザーのAPIやDOMを使って行っているため、これらを外部から呼び出せば同じことができてしまいます( ゚Д゚)

RPAの価値は、これらのことが「ノーコード/ローコードでできる」「技術者でなくてもできる」といったところにあります。ただし、いま最も広がっているWinActorやUiPathは、ちょっと高度なことをやろうとするとコーディングが要求されるために、このことが誤解のもとになっているかもしれませんがね...

ポイント2: 自動化の管理機能やツールが付属

RPA不要論でほとんど語られることがないのが「作った自動化プログラムの管理はだれがするのか」という観点です。(運用管理は開発者/プログラマの観点ではなく、インフラ技術者の観点なので、ここで分断が起こっている可能性もありますね...) これも、いま最も広がっているデスクトップ型RPA (Robotic Desktop Automation, RDA)にはこの機能がないので、やはり誤解の元になっている可能性があります。

組織で実際に自動化の運用を行う際は、作った複数の自動化プログラムをスケジューリング実行させる、複数のPCで分散実行させる、実行履歴のログを管理する、など、数々の管理業務をこなす必要があります。サーバー型RPAにはこれらが標準機能として搭載されているため、自動化ロジックの構築だけでなく、運用管理まで含まれたソリューションとなっています(^_-)-☆

ポイント3: 導入する際の総コストと手間

プログラミングができる技術者をプロジェクトに入れる場合、月100万円くらいの費用が最低かかります。無料のプログラミング言語やツールを使って自動化を行う場合でも、ツールは無料でも技術者の費用がかさみます

RPAの場合は、最初の3カ月くらいはスキル移転のために外部の技術者やコンサルを雇ったりしますが、長期的には内製化して、プログラミングができない従業員を主要メンバーとしてRPAプロジェクトを回していくことになります。その際、きちんと内製化ができ、教育も安価、または無償で受けることができる手段があり、書籍やオンラインドキュメントが充実しているサーバー型のRPAツールを選んでおけば、技術者を使った従来の自動化手法と比べて、RPAソフトウェア自体に年額100万円くらい払ったとしても全体の総コストは下がっていくでしょう。

まとめ: RPAでなくても自動化はできるが、RPAは単なる自動化だけを行うのではありません

いかがでしたでしょうか?RPAでなくても同等の自動化業務を行わせることは可能ですが、それをプログラムがかけない人が行えるかどうかが異なってきます。また、自動化の作成だけでなく運用・管理もできるかどうかも異なります。最終的に、人員の運用や教育まで含めたときに総保有コストが異なってきます。RPAは単純に自動化だけを行うのではなく、「オートメーションの民主化」により、誰でも手軽に自動化が行えるようにする、というところに、いままでの自動化とは違う価値があるように思われます!

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