プログラミング初学者向け勉強会がマルチ商法の狩り場になっている件


「初学者向けの勉強会でマルチ商法の勧誘をされた」という体験談を耳にするケースがここ最近非常に増えましたが、どうやら「勉強会の参加者の方から」勧誘されるケースだけでなく、「勉強会そのものがマルチ商法の勧誘を目的として開催されているのでは?」という疑念を持たざるを得ないケースもあるようです。

先日、私のTwitterフォロワーの方から「ENGINEER STYLE TOKYOという勉強会の主催者と運営サイドの人たちはアムウェイの勧誘をしています」というご連絡がありまして、私の方で主催者の方および主催者の方の運営されている団体様に関して調べてみたところ、何らかの形でアムウェイと関わっていると疑わざる得ない情報をいくつか発見いたしました。

私が主催している「雑食系エンジニアサロン」内でも質問してみたところ、「勉強会主催者の方にカフェに誘われたので行きました。徐々にプログラミングとは無関係の話題になっていき、"世界の食の真実を教えてあげる"というような話になり、その流れでサプリメントのセミナーに誘われました」というご返答を頂きましたので、「注意喚起をする上では十分な情報が集まった」と判断して下記のような一連のツイートをさせて頂きました。

その後、Twitterでも「まさにこの人にアムウェイに勧誘されました」というリプライがあったり、あるいはこちらの勉強会のLINEグループで「山崎拓巳」というアムウェイ有名人のブログ記事を紹介している一連のやりとりの画面キャプチャをリプライしてくださった方がいたり、さらにはその画面キャプチャ内に私のオンラインサロン参加者の方のアイコンが写っていたので「どういうことでしょう?」とその方にSlackで尋ねてみたところ「私はアムウェイのメンバーです」ということをお認めになったのでサロン規約違反ということで即時強制退会させて頂いたりと、色々と波乱の一日になりました。

現状

プログラミング初学者の方はマルチ商法の勧誘にご注意ください。という動画でもご説明させて頂きましたが、マルチ商法のメインターゲット層は基本的に下記に該当するような方たちです。

  • 若い
  • 社会経験が浅い
  • 怪しいビジネスに対する知識や警戒心が薄い
  • 収入が少ない
  • 将来に不安を持っている

こういった条件に該当する方たちが多く集まる場に勧誘の労力を投下した方が当然効率が良いわけなので、例えば「ストリートダンス界隈」や「クラブ界隈」ではマルチ商法の勧誘に遭遇する確率が非常に高い(私のダンス友達やクラブ友達も数名ほどそちらの世界に飲み込まれてしまいました)のですが、エンジニアへジョブチェンジしたい若い方が非常に増えたことにより、プログラミング初学者向け勉強会がマルチにとって格好の狩り場になった、ということでしょう。

上記ツイートで言及した勉強会の主催者の方がマルチ商法の勧誘を行っていると断言するわけではありませんが、警戒する上では十分過ぎるくらいの情報が既に集まっていますし、「ゴキブリは1匹いたら100匹いると思え」と言われるように、主催者自身がマルチ商法の勧誘を行っていると疑われる勉強会が他にもあると考えた方が賢明でしょう。

初学者の方たちの自衛手段

既にエンジニアとして十分な経験と収入を獲得している方がターゲットにされることはないと思いますが、ターゲット層であるプログラミング初学者や駆け出しエンジニアの方たちは、勉強会に参加する上で下記のようなことを心がけておく必要があるでしょう。

  • LINEグループやFacebookグループへの参加を半強制するような勉強会には参加しない。
    • 任意参加であれば問題無いと思いますが、上記で問題になっている勉強会では「資料共有のため」という口実でLINEグループへの参加が半強制だったようです。
  • 勉強会主催者や関係者から「個別に会いましょう」「個別にキャリア相談にのりますよ」という話があっても全て断る。
    • まともに仕事をしている忙しいエンジニアが、例えば1on1でのキャリア相談のような効率が悪くてスケールしない仕事を無料でやるわけがありませんので、そういう誘いをしてくる人は全て疑ってかかる方が賢明でしょう。(私も初学者の方から個別のキャリア相談のお申込みをお願いされることが結構ありますが現状は全てお断りさせて頂いております。やるとしても1時間数万円程度のキャリアアドバイス料を頂くことになるでしょう)
  • プログラミングと全く関係のない「食、栄養、美容、健康、旅」の話を主催者や参加者の方が不自然に強調していたりプロフィールに含めている場合は要注意。
    • サプリメント、化粧水、空気清浄機、旅は、それぞれネットワークビジネスの典型的な商材です。

勝又への通報

本来は、勧誘被害にあった方たちがTwitter等で直接その相手の名前やアカウントを晒してしまうのが最も効果的なのですが、トラブルに巻き込まれることを恐れてそういったことをやれない方がほとんどだと思います。

勝又もトラブルは望みませんが、主催しているオンラインサロンにプログラミング初学者の方たちが多数ご参加してらっしゃいますので、その方たちが被害に合う可能性を看過することは立場上できないこと、および「私以外にこういうことをやれる勇気のある人は残念ながら今のIT業界にはいないだろうなあ」という自覚もありますので、TwitterのDM等で私にご通報頂ければ、独自に調査を行ったりサロンメンバーの方たちにヒアリングを行った上で、「注意喚起をする上では十分な情報が存在する」と判断できた場合には、今回同様に勉強会および主催者の方の実名付きでTwitterで注意喚起をさせて頂きますので、勧誘被害にあった方は「勉強会と主催者のお名前」「勧誘までの手口や具体的なセールストーク」等、なるべく詳細な情報付きでご連絡ください。(もちろんご通報者の情報は秘匿いたします)

(Twitterでパブリックに注意喚起をする上で十分な情報が存在しないと判断した場合はサロン内での共有に留めさせて頂きます)

勝又のTwitterアカウント:@poly_soft

補足

アムウェイに関してある程度知識のある方であればご存知だと思いますが、サンクチュアリ出版という出版社さんは「山崎拓巳」というアムウェイ有名人の書籍を何冊も出版しています。

つまりサンクチュアリ出版さんは「マルチ商法」に関して否定的ではなく、むしろ肯定的な立場と考えて良いと思いますが、この出版社さんは頻繁にイベントを開催しておりまして、そして今「プログラミング初学者を集客できるエンジニアにTwitter等で声をかけまくっているのでは?」という疑惑があります。

先日こちらの出版社の副社長を名乗る「金子さん」という方から「うちのイベントスペースでトークイベントをやりませんか?」というお申し出がありまして、当然お断りさせて頂いたのですが、エンジニア系インフルエンサーの方がそれ以前にこちらの出版社さんでトークイベントを行っておられたのをYoutubeで拝見しましたので、恐らく私以外にもそれなりの数のエンジニアに声をかけていると思われます。

サンクチュアリ出版さんのイベントがアムウェイの「狩り場」になっているかどうかは不明ですが、上記のエンジニア系インフルエンサーの方は以前アムウェイをやっていたことをYoutubeで公言しておられるので、そういった方を招待してイベントを開催してしまう時点で、こちらの出版社さんのイベントに関しては十分に警戒した方が賢明、ということになるでしょう。

おまけ

2019年3月から、エンジニアが「技術資産」「人的資産」「錯覚資産」「信用資産」を効率よく増やし、キャリアをハックしていくための様々な情報や知見をお互いにシェアすることを目的とした「雑食系エンジニアサロン」というオンラインサロンを開始いたしました。

既に600名以上の方にご参加頂いておりますが、ご興味ある方がいらっしゃいましたら、Twitter等でお気軽にご質問頂ければと思います。