9/26 Engineering Manager Meetup #6 に参加してきた #em_meetup


はじめに

 先日(9/26)、Engineering Manager Meetup #6に上京し参加してきたので、自分の頭の整理をかねてふりかえります。

実は Engineering Manager Meetup に参加したのは はじめてだった

 自分は名古屋でEngineering Manager Meetup in NAGOYAという勉強会のとりまとめをしています。とはいっても まだ3回募集して そのうち1回は人が集まらず流会、connpass登録メンバも10人程度のちっさい会です。
 ご本家はどのくらい規模でどんな感じでやっているのか。一度この目で見たくて参加したのでした。

やったこと

場所と当日参加したメンバー層

 場所はfreee株式会社さんで五反田駅のそば歩いて数分の立派なビルでした。会場も広くきれいで、昨年以来東京の勉強会にでかけるたびに圧倒されます。
 私の観測では、参加メンバーは50数名でしょうか、 大半が20代から30代と若く全員男性でした。規模によるかもしれませんが、この歳で未経験・責任ある役割はかなりきついだろうなとおもいました。と同時に、自分が新任マネージャになった際に、このような勉強会があったらさぞよかったのにと羨ましくも感じました。代表のohbaryeさんがサクサクと進めていくので目立たないですが、この大規模の運営になると準備だけでもご苦労があるように見受けられました。

進行はこんな感じ

 いわゆる OST(Open Space Technology)方式というもので、以下のような順で進んでいきました。
1. オープニング、主催者のohbaryeさんより ご挨拶・会場案内・諸注意など
2. 1回目のOST テーマ募集。8テーマ
3. 1回目のOST テーマごとにグループにわかれ話し合い
4. 1回目のOST 全体共有。テーマをあげた人が発表 
5. 2回目のOST テーマ募集。8テーマ
6. 2回目のOST テーマごとにグループにわかれ話し合い
7. 2回目のOST 全体共有。テーマをあげた人が発表
8. クロージング、宣伝・まとめ
 熱気のためか発表がおしてしまい、終了予定の21時をこえていましたが、どのテーマも魅力的で、終始活発な議論ができてよかったです。

1回目「マネージャの育成」というテーマに参加

 最初は様子がわからなかったこともあり、まずは皆さんの議論を聴いてみようで参加しました。このテーマに参加した方々は、皆さん早口ですぐに応答があり、いわゆる深く考え込むタイプの自分はちょっとおいてぼりになりそうになりました。
 興味深かったことをまとめると、以下の3点になるでしょうか。

  • マネージャは成り手がいなくて困っている。募集かけても応募がない。
  • マインドの育成は無理。マインドのありそうな人に促して経験をつむのがよさそう。
  • 育成に1~2年かかってもかまわない、というかそれで済むならありがたい。

 成り手がない背景には、若いメンバが多く、まずコードも書きたい、勉強もしていかないと世の中の変化についていけない、その上でマネジメントとなると。。ということがあるようです。技術の底流を見据え要点をとらえるというよりも、最新の技術トレンドを追いかけたい気持ちが強いのかなと感じました。1
 逆に、1~2年かかってもかまわない・やむをえないという意見には驚きました。求められているレベルが各社事情があり一概にいえませんが、手をこまねいて炎上するパターンを数多く経験してきた自分からすると、3か月ほどで軌道にのせ 後はもやもやとした課題があるけど順次解消していったほうが皆幸せになるような気がしました。もちろん育成完了までとなると事実 1~2年かかりますし、そういう理解がある現場はとてもよい現場かなともおもいました 2
 議論されなかった部分、1~2年後の具体的な希望やなっている状態から逆算してどんな助けと感謝と経験をつめれるのか、そのあたりをもう少し深堀して議論するとよかったかもしれません。いずれにしろ、コードを書かなくなって久しく、年齢もかなり上の自分にとっては、皆さんの若さがまぶしく羨ましくも感じました。

2回目手を挙げて「EMやってよかったこと」で参加した

 2回目は様子がだいぶわかってきたので、自ら手を挙げてちょっとドキドキしながら「EMやってよかったこと」というテーマをかかげてみました。
 約6~8名ほどだったでしょうか、皆さん口々に「おつかれ気味なので(癒されにきた)」「いい話をききに」「やさしい世界」と冗談をいいながら集まってくれて、とてもうれしかったです。
 最初 名古屋から来たことと、このテーマの内容を持ち帰ってまた名古屋で活動していきたい旨の話をしました。その後、ラウンドロビンで順次話してもらい3、意見交換で進行しました。
 いろいろ とてもよい話を聞けたのですが、その中で、伸び悩んでいるメンバーと、一緒に遊びにいくなど 何気ない行動から メンバーのよさや弱さ・向いていない面が何かを拾って あいそうな違うチームに変えるように働きかけ、変えてみたらびっくり!グーンと伸びて、そのメンバーからも後でとても感謝された という話がでました。
 ひとは、いい意味で期待を裏切る、ときには 期待以上の行動と結果をもたらすことがあります。
 ちょっとの働きかけなんだろうけど、EMとして働きかけて結果がでたときは本当うれしいですし、EM冥利につきますよね。そこには、計算機と格闘して期待通りに動いたときの喜びとはまた違う別の喜び・魅力があるように感じました。
 とても緊張したのですが、拙いながらも最後発表できてよかったです(ほっとしました)。

その他、参加しなかったけど共有の際、なるほどと思ったテーマ

 「最近読んだ本、得られた知見」というテーマで話されていたグループがありました。「ISO 12207 Software life cycle processes」などの紹介があり、興味深かったです 4

わかったこと・気づいたこと

EMの魅力の一つって、「苦労がいっぱい。だけど、苦難に向き合うとその先にそれ以上の喜びがきっとくる」じゃないかな

 まず、EMになると、プログラムが動く・動かない以外の多くの苦労と向き合わざるをえませんよね。中には、地雷と呼ばれる想定もしなかった問題が次から次から襲いかかっているケースもあるでしょう。ときには、単に責任者だからという理由だけで「なんでわたしが。。」という問題をやらざるえないこともあるかもしれません。
 それに対し、いろいろと情報を拾っては実験し失敗を繰り返す。すると、ある日ふっと魔法のように解消される。そして、みんなに感謝される。
 昔 優秀なHackerのことを Wizard(魔法使い)と言っていた時代がありましたが、EMの仕事ってまさに Wizard な仕事じゃないか、そんなことをあらためて強く思い起こしました。

とはいっても EMはスーパーマンじゃない。だからこそ弱さの情報公開が必要、弱さの連帯が必要なのかも。

 勉強会という場だと、初対面ないしは普段交流がしない人々が集まります。少なくとも日常会う人々ではありません。
 そういった場だと、つい話すことが、ついつよつよな話、成功談やチートな話、おれってすげー話に流れていくのも無理もありません。男の子はとくにそうなりがちで、生物の本能として当然な面もあるようにおもえます。
 かくいう自分もついついそんな話をしようとしてしまう、称賛とは言わないまでも リアルないいね!をもとめてしまっています。毎度ではありますが、全く見栄っ張りでしょーもない自分がいます。

 でも。
 一方で、自分たちが聴きたいことって、本当につよつよ話だけなのかな とも思いました。
 むしろ、聴きたいのは、苦労している・苦労とむきあっている話、苦労として買っていいことなのかもやもやしている話、今ボコボコな状態になっていてそれでも。。という話なのかもしれません。そこから他者への興味がうまれ、共感がうまれ、それでも生きていく活力が生まれる。
 ゆのんさんEMはスーパーマンじゃないという話をしてくれて、共感の輪がひろがってきて一年。
 なんか、よわよわな話でありそこから生まれる 弱さの連帯ができる、弱さのOSS的活動ってできないものなのかなとおもいました。

次やること

 そんなことを考えていたら ちょうど こんな記事が。


 この記事、今の自分のとりまく生きづらい状況を以下のように客観視して笑いにかえようという話だと理解しました。
  • 日経新聞の『私の履歴書』に置き換えると、今どのくだりなのかと分析している自分
  • 情熱大陸の「今日のできは……全然ダメでしたね」とひたすら失敗を分析しているちょっとカッコいい自分

 心の中にある問題の外在化・客観視し研究しユーモアをもたらすメンタルな手法でいわゆる当事者研究があるのですが、それ同じアプローチのように思えます。
 ただ、病気という客観的な状況がない場合、自己開示をするには、必要性の認知と なによりも勇気が必要かなとおもっています。なので、ちょっと進め方はもう少し検討する必要があるけど、試しに何かやってみたいと。

 まずは弱さの情報開示をすることで、よりチームのパフォーマンスがあがる話をしてみるかな。ちょうど 10/05にLTできる機会をもらったので、まずはそこで話をしてみます。

おわりにかえて謝辞

 水殿さんには技書博キャラバンin名古屋以来 親切に話しかけてもらってありがたかったです。また話しましょう。
 たにさん(tany3)さんゆのんさんとは いい話ができてうれしかったです。お二人とも名古屋行きたい、勉強会したいといってくれたのもうれしかったです。ゆのんさんはいろいろ気にかけてくれた様子がうかがえ本当ありがたかったです。
 その他、[ohbaryeさん]はじめ meetupに参加した皆さん、どうもありがとうございました!
 また、お会いしましょう。


  1. もちろん、最新のトレンドを追いかけていきたいという気持ちはとてもわかります。 

  2. もう少し経営層によったメンバだとまた意見が異なってきたかもしれません。 

  3. ちゃんと「ラウンドロビンで順次話していきましょう」と宣言すればよかったですね、ファシリが悪くてすみません。 

  4. 他にどんな本が紹介されたかは twitter #em_meetup で検索すると、ホワイトボードのキャプチャ写真がいくつかでてきます。