App EngineとCompute Engineのレイテンシー・価格比較


お題

前の記事GCP Pingというリージョン別のレイテンシーが出るサイトを紹介したのだけど、
レイテンシーは低くても東京リージョンは他のリージョンより高くつく場合があると書いた。
ので、実際に一覧にしてみる。
最初は主要なサービス別に一覧化しようと思ったものの、一覧にするの意外に面倒で、ひとまずGAEとGCEだけにする。

前提

GAE(App Engine)

GCE(Compute Engine)

  • インスタンスは「n1-standard-1」(仮想CPU数:1, メモリ:3.75GB)
  • 1インスタンス1時間あたりの費用
  • プリエンプティブや継続利用割引は考慮しない

実践

レイテンシーの低い順に一覧化。太字は同一サービスでの最安値。

REGION MEDIAN
LATENCY
GAE GCE
東京
(asia-northeast1)
12ms $0.07 $0.0610
台湾
(asia-east1)
49ms - $0.0550
シンガポール
(asia-southeast1)
79ms - $0.0586
ロサンゼルス
(us-west2)
109ms - $0.0571
シドニー
(australia-southeast1)
114ms $0.068 $0.0674
オレゴン
(us-west1)
120ms - $0.0475
ムンバイ
(asia-south1)
137ms $0.060 $0.0570
アイオワ
(us-central1)
139ms $0.05 $0.0475
北バージニア
(us-east4)
165ms $0.055 $0.0535
サウスカロライナ
(us-east1)
169ms $0.05 $0.0475
モントリオール
(northamerica-northeast1)
175ms - $0.0523
ロンドン
(europe-west2)
240ms $0.060 $0.0612
ベルギー
(europe-west1)
246ms $0.05 $0.0523
オランダ
(europe-west4)
246ms - $0.0523
フランクフルト
(europe-west3)
248ms $0.060 $0.0612
サンパウロ
(southamerica-east1)
275ms $0.075 $0.0754
フィンランド
(europe-north1)
279ms - $0.0523

まとめ

というわけで、レイテンシー重視でなく、とにかく安くというのであれば東京リージョンにこだわる必要はないみたい。
例えば、GCEで台湾リージョンとのレイテンシー差くらいなら許容範囲なら、それだけで1時間あたり$0.006安くなる。
(他の要素を考慮せず)本当に単純に1ヶ月あたりにすると、$3(約341円) の差。
最安値の中で最もレイテンシーの低いオレゴンリージョンだと、$7(約795円) の差。ただ、レイテンシーの差は10倍・・・。

  • 東京リージョン:$31.17
  • 台湾リージョン:$28.11
  • オレゴンリージョン:$24.2725

う〜ん、この差がどれほどのものなのか、たかだか1ヶ月に数100円の差と見るのかどうなのか・・・。
あと、今回はコンピューティング要素の比較だったけど、業種(?)によっては、業務情報をストレージに格納するとして、
それを国外に置くこと自体がNGだったりもするらしいので、やっぱり一概には決められないみたい。