GCP・AWS・Heroku の最低価格帯インスタンスの料金比較(2020年1月版)


はじめに

規模の小さい Web アプリケーション(CPU 1 コア・メモリ 1 GB 弱のサーバ 1 台で動作可能)を
動かすための環境として GCP・AWS・Heroku を検討したので、
各サービスごとの最低価格帯の料金をまとめてみました。(料金は 2020年1月3日現在のもの。)
Azure は今まで全く触ったことがないので検討に入れておらず…すみません…

料金比較表

主なサービスを月間料金の昇順でソートしてみました。

Service Instance (v)CPU RAM(GB) 時間料金(USD) 月間料金(USD) 月間料金概算 Region
Heroku free ?1 0.5 $0 2 0円 US
AWS t3a.nano 2 0.5 $0.0061 $4.392 480円 東京
GCP f1-micro 1 0.6 $0.0092 $4.70 520円 東京
AWS t3.nano 2 0.5 $0.0068 $4.896 540円 東京
AWS t2.nano 1 0.5 $0.0076 $5.472 600円 東京
Heroku Hobby ?1 0.5 $7 770円 US
AWS t3a.micro 2 1.0 $0.0122 $8.784 960円 東京
AWS t3.micro 2 1.0 $0.0136 $9.792 1070円 東京
AWS t2.micro 1 1.0 $0.0152 $10.944 1200円 東京
GCP g1-micro 1 1.70 $0.0322 $16.45 1800円 東京
AWS t3a.small 2 2.0 $0.0245 $17.568 1920円 東京
AWS t3.small 2 2.0 $0.0272 $19.584 2140円 東京
AWS t2.small 1 2.0 $0.0304 $21.888 2400円 東京
GCP n1マシンタイプ 1 1.0 $0.0460 3 $23.5249 4 2600円 東京
GCP n1-standard-1 1 3.75 $0.0610 $31.17 3500円 東京
Heroku Standard 1x ?1 0.5 $25 2750円 US
Heroku Standard 2x ?1 1.0 $50 5500円 US
GAE F1,B1 1 0.25 $0.07 $50.4 5600円 東京

注意事項・補足

  • 月間料金概算は、1ドル約110円として概算
  • 各料金は、各サービスの下記公式ページから抜粋
  • AWS の月間料金は、1時間料金 * 24 * 30 として算出
  • GCP の月間料金は、GCP の料金表より抜粋
    • 一定時間以上使用すると継続利用割引(最大 30 %)が適用される
  • 無料枠
    • GAE の Standard Environment では 1 日あたり 28 インスタンス時間の無料枠がある
    • GCE では 1 インスタンス
      • f1-micro、ただしリージョンは、オレゴン(us-west1)、アイオワ(us-central1)、サウスカロライナ(us-east1) に限られる
    • AWS は、無期限での無料利用枠は AWS Lambda のみ
      • 12ヶ月間限定では、750 時間 / 月の t2.micro (Linux、RHEL、または SLES) インスタンスが含まれる
  • AWS の「東京」は アジアパシフィック(東京) 、GCP の東京は 東京(asia-northeast1)
  • Heroku の US は North Virginia にあるらしい。公式ページ で Region を調べる方法の記載がある。
  • AWS の t3 と t3a の違いは、下記引用の通り、CPU が若干異なるだけとのこと。

T3a インスタンスは T3 インスタンスのバリアントであり、全コアターボのクロック速度が最大 2.5 GHz の AMD EPYC プロセッサを搭載しています。T3a インスタンスは、使用中に一時的なスパイクが生じる中程度の CPU 使用率を持つアプリケーション向けの Amazon EC2 コンピューティング環境で、10% のコスト削減を目指すお客様にとっての新たな選択肢となります。

AWS 公式の T3a 提供開始のお知らせ より引用

個人的な所感

Heroku はとても安いので、GCP の GAE も安いのではと思っていたところ
GCE に比較して全く安くないということがわかりました。
確かに、GAE はマシン自体の管理が必要ないという点で GCE と比較して
運用側のコストが抑えられるものの、Docker コンテナ等でサービスを運用するのであれば
GCE が最適かなーと思いました。

AWS は相変わらず安いですが、色々考えてプラットフォームは一つに絞りたいし、
GCP がいいかなーと考えています。

[参考] Heroku の各タイプの特徴

  • Free
    • スリープ状態への移行あり
    • カスタムドメインは使用可
    • プロセスタイプ数 〜2
  • Hobby
    • スリープ状態への移行なし
    • 高度なアプリケーション用に複数の WORKER を使用可
    • 10分毎のメトリクス
    • プロセスタイプ数 〜10
  • Standard
    • 手動スケール
    • 閾値によるアラート

  1. Heroku 上の CPU コア数は非公表。ただし StackOverflow には、調べた結果 4 コアまたは 8 コアだったという情報がある。 

  2. 1アカウントあたり合計 1000時間 / 月まで無料 

  3. (\$0.040618 / vCPU hour) + ($0.005419 / GB hour) として算出 

  4. (\$20.755798 / vCPU month) + ($2.769109 / GB month) として算出