ラズパイ4BはグーグルGCE無料枠より遅かった(でも4K動画再生はできる)


iperf3 によるネットワーク速度計測とUnixBenchによる全般的な性能の比較を行った結果を紹介します。比較した機器は以下の3つ。Cコンパイラはすべて GCC 10。結論としてはグーグルGCE無料枠のディスクとネットワークを遅くしたものがラズパイ4Bの計算力だと言えそうです。

LANインターフェースの速さ

iperf3 を用いてラズパイの有線・無線ネットワークインターフェースを測定した。

有線LAN

ノートパソコン CF-SZ6 は 900 Mbps、ラズパイ4Bは600 Mbps

無線AN

ノートパソコン CF-SZ6 は 500 Mbps、ラズパイ4Bは90 Mbps❣驚異的に遅い。その理由の一つはラズパイ側で iw wlan0 info したときに表示されるwidth が 40MHzしかないことで、ノートパソコンの方は80MHzで2倍帯域幅を使ってます

Unix Bench

https://github.com/kdlucas/byte-unixbench のベンチマークです。CPU単一コアとCPU全コアによるベンチマーク値が得られますが、CPU全コアによる値だけを紹介します。結論としてはグーグルGCEとだいたい同じでディスク入出力が遅いことがわかります。

比較項目 ノーパソ ラズパイ4B グーグル
Dhrystone 2 using register variables 87130950.9 25134169.3 27299043.4
Double-Precision Whetstone 22264.4 4250.5 1317.6
Execl Throughput 8544.7 2688.4 1048.4
File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks(単位MBps) 361.6941 121.8182 312.3306
File Copy 256 bufsize 500 maxblocks(単位MBps) 95.2473 33.2260 88.2706
File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks(単位MBps) 1284.6244 356.0185 815.2016
Pipe Throughput 1775096.8 431364.2 395436.3
Pipe-based Context Switching 353649.3 78775.3 85185.1
Process Creation 24246.0 3829.1 3102.6
Shell Scripts (1 concurrent) 16728.5 4280.9 1743.3
Shell Scripts (8 concurrent) 2349.1 568.3 223.1
System Call Overhead 1007940.9 362395.5 238012.7
System Benchmarks Index Score: 1864.2 489.5 422.8

4K動画再生

ラズパイ4BのミニHDMI出力を4Kディスプレイに繋ぐとしっかり4K表示できる。ラズパイ4Bに
Ubuntu MATE for Raspberry Piを入れてユーチューブの4K動画を再生すると、ウェブブラウザのウィンドウをそんなに大きくしなければ割とスムーズに再生する。全画面表示にするとさすがに7〜8fps程度しかでない…

みんなのネット回線速度 を上記のノートPCで測ると800Mbpsくらいでるが、Ubuntu Mate for Raspberry Piだと120 Mbps、Debian Bullseye Gnomeだと40Mbpsくらいしかでないため、ブラウザ動作が遅すぎてスピードがまともに測れていないようである。