岩手県の検査結果から PCR の特異度を推測する。


岩手県の検査結果から PCR の特異度を推測する。

みなさんご存知のように PCR の結果解釈にはベイズの定理が役立ちます。
新型コロナウイルス(COVID-19)の PCR 検査の感度(疾患のある人の検査結果が陽性となる割合)は60〜70% とされていますが、特異度(疾患のない人の検査結果が陰性となる割合)は何%でしょうか。
事前確率が低い時、検査の特異度が95%なのか99%なのか99.9%なのかでは陽性的中率が大きく変わってきます。
事前確率 1%、感度 65% とした時、特異度によって検査結果陽性時の事後確率がどう変わるかを以下に示します。

特異度 陽性時の事後確率
95% 11.6%
99% 39.6%
99.9% 86.8%

岩手県では、788回連続して「陰性」だった。

2020.6.15の時点で岩手県では PCR の結果が788回連続して陰性でした。
もし COVID-19 の PCR 検査の特異度が99%であれば788回連続して陰性になる確率は、0.99788 = 0.00036 で 0.036% となります。つまり特異度は99%よりずっと高いということです。
特異度 99.5% であれば788回連続して陰性になる確率は、0.995788 = 0.0193で 1.93% となります。特異度は99.5%よりも高そうです。
特異度 99.9% なら、0.999788 = 0.455 で 45.5% となります。
岩手県が連続陰性記録を更に伸ばせば、特異度がもっと高いことが証明されるでしょう。

結語

岩手県の検査結果から推測される COVID-19 PCR の特異度はかなり高い。

追記

2020.7.17の時点で1224回連続陰性が確認されました。
PCR の特異度は、ほぼ100%に近いため偽陽性(ウイルスがいないのに陽性と出る)の心配はないと思われます。