SIビジネスの根本は、「人月費用課金」と知っておくと、全てがはかどりますよ!


別ストックへのレスで、いいねを沢山頂いたので需要があると思い、記事化します。

SIerにとって、根幹となる部分は西暦2000年で止まっているふしがあります。
当時、西暦2000年においては、バッチファイル & ExcelVBA & ドキュメント内参照
などは「最先端の技術」であり、みんなこぞって学んだわけです。
そしてそれが「定型」になりました。

プライムSIerになればなるほど、Excelですべてを設計しています。
笑えるほど20年前の技術をそのまま、工夫なく使っています。

以前所属していたSIerでは、一人が作ったExcelドキュメントのシートを
マージして、一日を費やしている人がいました。
ひどいときは別の人がそれをもう一回分割していましたw

そんな仕事を何年も続けたあと、彼らは退職時、何を得ているのでしょうか・・・?
吉田栄作さんならこういうでしょう「ノースキルでフィニッシュです」

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以下は特定の人に対する批判などではないので、軽く読みながしてもらえると幸いです。

SIビジネスの根本には、「人月費用課金」があります。これがすべてだといっていいでしょう。

皆さんがこの課金システムで経営者になったことを想像してみて下さい。

  1. できるだけ多く人月を見積もりたい
  2. 客には、人月の中身まで理解してもらう必要はない、そうなると困る
  3. もしスーパーマンがいて、10人の作業を1人で終わらせちゃったら困る

となるわけです。もうお分かりでしょうが、
「平均的な人がたくさんいたほうが会社がもうかる」ということです。

建設業では、これはなりたちます。
大前提として、人間には2本の腕しかありませんから、
1人が10人分をやってしまう「心配」はないわけです。

ところがITだと、たった一つのアイデアやプロダクトが、
すべての労力を帳消しにしてしまう、クオンタムリープがありえるわけです。
神戸職員がPower Platformで2週間で開発したニュースがありましたが、
あれをSIerがやってしまうと、一人分のお金しかとれないから破綻です。

「自社開発」「コロナ緊急事態」だから生まれた、日本人が本来もっている力です。

つまり、これをご覧になっているあなたをはじめとする優秀な日本人は、
SIerに所属することでこうした力を、「ほかの何か」で浪費してしまうのです。

「ほかの何か」とは、社内調整・社内報告・顧客調整といったものでしょう。
それは「人月を担保するための時間浪費」なのです。
それが本当にもったいない。

もしあなたがSIerに3年もいたのなら、長すぎると思います。
おそらく2年目くらいに、SIerの環境が快適だと思ったことがあると思います。
「あ、これで稼げるんだ」と。そこが落とし穴なのです。

・顧客とは「ツーカー」であってはならない。時間をかけろ。
・顧客を煙にまけ。人月の中身は知らせず多くとれ。
・優秀なIT人材はとるな。たくさんのデク(下請け)を作れ。

言葉は悪いですが、そういうビジネスなんです。

人間がついやす熱量・熱心さはすばらしいことだと思います。
ただ、SIerにおいてその先には、吉田栄作の言葉が待っています(吉田さんすみませんw)。

究極的には、以下の二択なんだと思います。
・「金かせげりゃいいじゃん」「新しいこと覚えるのめんどくせ」「俺と家族が一番大事」
・「技術と知恵をフル活用して、客も同僚もハッピーになってほしい」
Qiitaにいる皆さんの多くは、後者なんでしょうね。

このプラットフォームを作った方こそ、賞賛されるべきですが。
吉田栄作「Qiitaさん、マネー成立です」