[2020年9月11日] App Storeレビューガイドラインのアップデート


2020年9月11日にApp Storeのレビューガイドラインが更新されました。

詳細は App Store Review Guidelines で確認 1 するとして、ひとまず概要をざっと把握したい方のために、上記の発表内容を日本語訳 2 してみました。

App Storeのレビューガイドラインが更新されました

App Storeはお客様がアプリを発見したりダウンロードするための安全で信頼できる場所であり、同時に開発者にとって絶好の機会を得られる場でもあります。以下のガイドラインの変更と明確化は、今後リリースされるOSの新機能をサポートし、お客様をより保護して、アプリのレビュープロセスをできるかぎりスムーズに進めることを手助けします。

アップデートの内容は以下のとおりです。完全な内容については App Store Review Guidelines をご覧ください。

ガイドラインの変更

2.5.16: App Clips、ウィジェット、エクステンション、および通知はアプリのコンテンツと機能に関連している必要があります。さらに、App Clipを含むすべての機能はアプリのメインバイナリに含まれている必要があります。App Clipsには広告を含めることができません。

3.1.2(a): ストリーミングゲームサービスの定期購読として提供されるゲームはApp Storeから直接ダウンロードしなければならず、また購読者による重複支払いを避けるように設計されていなければならず、購読者以外のユーザーに不利益を与えてはなりません。

3.1.2(a): Appleの事前承認を得て音楽やビデオ購読の自動更新を提供するアプリは、携帯電話キャリアのアプリ内で提供されているデータプランとの事前定義されたバンドルに含まれている可能性があります。

3.1.3(a): リーダーアプリは無料枠向けのアカウント作成機能や、既存ユーザー向けのアカウント管理機能を提供する場合があります。

3.1.3(d): 個人間の体験: アプリにおいて2人の個人間のリアルタイム体験(例: 生徒の指導、医療相談、不動産内見、フィットネストレーニングなど)を購入できる場合、それらの支払いにアプリ内課金以外の決済方法を利用することができます。1人と数人、または1人と多数のリアルタイム体験についてはアプリ内課金を使用する必要があります。

3.1.3(f): 無料のスタンドアロンアプリ: 有料のWebベースツール(例: VOIP、クラウドストレージ、電子メールサービス、Webホスティング)のスタンドアロンコンパニオンとして機能する無料アプリは、アプリ内での購入やアプリ外での購入アクションがない場合、アプリ内課金を使用する必要はありません。

3.1.7: ディスプレイ広告はメインアプリの実行ファイルに限定されるべきであり、エクステンション、App Clips、ウィジェット、通知、キーボード、watchOSアプリなどには含めるべきではありません。

3.2.2(vi): アプリはその機能やコンテンツへのアクセス、アプリ自体の利用、金銭的またはその他の報酬(ギフトカードやコード、またはそれ以外)をユーザーが得るために、アプリの評価やレビュー、動画の視聴、他アプリのダウンロード、広告のタップ、広告トラッキングの有効化、その他の類似の行動をユーザーに要求してはなりません。

3.2.2(x): 個人向けローンを提供するアプリは、同等の最大年率(APR)と支払期限を含むがこれらに限定されないすべてのローン条件を、明確かつ目立つように開示しなければなりません。アプリは、費用や手数料を含め、最大年率(APR)を36%より高く設定してはならず、60日以内に全額返済を要求してはなりません。

4.9: ストリーミングゲームは、すべてのガイドラインを遵守するかぎり許可されています。例えば、すべてのゲームアップデートはレビューのために提出されなければならず、開発者は検索のための適切なメタデータを提供しなければならず、ゲームは機能をアンロックするためにアプリ内課金を提供しなければなりません。もちろん、App Store外のすべてのユーザーにリーチするため、オープンなインターネットやWebブラウザアプリが常に存在します。

4.9.1: 個々のストリーミングゲームは、App Storeの製品ページがあること、ランキングや検索結果に表示されること、ユーザーによる評価やレビューがあること、ScreenTimeや他のペアレンタルコントロールアプリで管理できること、ユーザーのデバイスに表示されることなどを考慮して、App Storeに提出される必要があります。

4.9.2: ストリーミングゲームサービスは、ユーザーがサービスにサインアップしてApp Storeでゲームをみつけるのに役立つカタログアプリをApp Storeで提供することができます。この場合、アプリがユーザーにアプリ内課金による定期購読の支払い方法を提供したり、Sign in with Appleを使用したりするなど、すべてのガイドラインを遵守していることが条件となります。カタログアプリに含まれるすべてのゲームは、App Storeの個別製品ページにリンクしている必要があります。

提出したあと: それでもレビューの結果に納得できない場合や、ガイドライン自体の変更を提案したい場合は、不服申し立てを提出してください。

バグ修正版の提出: App Storeに登録されている既存アプリについては、法的問題に関連するものを除いて、ガイドライン違反を理由にバグ修正版のレビューが遅れることはありません。アプリがリジェクトされ、このプロセスの対象になっている場合は、 問題解決センター を使用して、このプロセスを利用したい旨をApp Reviewチームに直接連絡し、次回の提出で問題を解決する予定であることを伝えてください。

ガイドラインの明確化

2.3.1: アプリに隠し機能、休止機能、またはドキュメントに載っていない機能を含めないでください。アプリの機能は、エンドユーザーやApp Reviewチームにわかりやすく提供されるべきです。

2.3.1: すべての新機能やプロダクトの変更は、App Store Connectの App Reviewに関する情報 セクションにある メモ に具体的に記述され、レビューのために利用可能になっている必要があります。

2.3.7: ユニークなアプリ名を選択し、アプリを正確に説明するキーワードを割り当ててください。システムの抜け穴を利用するために、商標登録されたキーワードや人気アプリの名前、価格情報 3 、その他の無関係なフレーズをメタデータに詰め込もうとしないでください。

3.1.3: その他の購入方法: 以下のアプリはアプリ内課金以外の購入方法を使用することができます。このセクションのアプリでは、アプリ内で、またはアプリ内のアカウント登録で取得した連絡先(電子メールやテキストメッセージなど)に送信される通信を通じて、ユーザーにアプリ内課金以外の購入方法の利用を促すことはできません。

3.1.3(c): エンタープライズサービス: アプリを組織やグループの従業員や生徒に直接販売する場合(例: 専門的なデータベースや教室管理ツールなど)、アプリ内課金に加えて別の購入方法でもそれらの支払いを回収することができます。消費者向け、シングルユーザー向け、または家族向けの販売では、アプリ内課金を使用する必要があります。

3.1.3(e): 旧 3.1.5(a) の番号を変更しました。

3.1.3(b): マルチプラットフォームサービス: 複数のプラットフォームで動作するアプリでは、マルチプラットフォームゲームの 消耗型 アイテムを含め、ユーザーがアプリ内で取得したコンテンツ、購読、または機能に他のプラットフォームやWebサイトからアクセスできる場合があります。

3.1.5: 旧 3.1.5(b) の番号を変更しました。

4.5.2(i): iOSのMusicKitを使えば、Apple Musicとそのローカルミュージックライブラリを、あなたのアプリやゲームからネイティブに再生することができます。ユーザーがApple Musicアカウントに許可を与えると、あなたのアプリでプレイリストを作成したり、曲をライブラリに追加したり、Apple Musicのカタログにある何百万もの曲を再生したりすることができます。

5.1.2(vi): HomeKit API、HealthKit、Clinical Health Records API、MovementDisorder APIs、ClassKitまたは深度および/または顔のマッピングツール(例: ARKit、Camera APIs、Photo APIsなど)から収集したデータは、第三者によるものを含め、マーケティング、広告、またはUse-basedなデータマイニングのために使用することはできません。CallKit、HealthKit、ClassKit、およびARKitを実装するためのベストプラクティスを学びましょう。


  1. 本記事執筆時点で、日本語版のApp Store Reviewガイドライン最終更新日:2020年3月4日 となっています 

  2. 一部不自然な表現や意訳も入っていますので、正確で完全な内容については App Store Review Guidelines を参照してください 

  3. "無料" など価格についての表現