転職で使えるソフトウェアテスト


こちらはソフトウェアテストの小ネタ Advent Calendar 2020の6日目の記事です。

私はこれまで3回転職を経験して、最近は今年の5月に転職活動をしていました。当時はコロナ発生直後で転職活動も様変わりしどうなるものかと心配していましたが、結果的に転職活動が全てオンライン上で完結してIT業界便利だなーと業界メリットに感謝したのと、オンライン面接でその月の通信量が70GBを超えて追加料金が必要になったのが印象深い思い出です。

今回紹介するのは転職活動において「自分のスキルが応募先の企業にとってどう役に立つか。」をテストエンジニアの流儀で上手く伝える方法です。

要約はこちらです。これでピンと来た人は後は読まなくても大丈夫です。

  • プロの受け入れテストエンジニアとして、企業研究も兼ねて面接先のWebサービスをテストする
  • 受け入れテストテストで検出した不具合や改善案を面接時に伝える
  • ソフトウェアテストの同人誌頒布など分かりやすいアピールポイントを履歴書に盛り込んでおく

■プロの受け入れテストエンジニアとして、企業研究も兼ねて面接先のWebサービスをテストする

転職活動する上で応募先の企業研究は実施すると思いますが、その企業が一般向けにWebサービスを提供しているならプロの受け入れテストエンジニアとしてテストを実施しておきましょう。受け入れテストを実施するメリットや応募先の企業に提供できる価値は以下になります。

  • そのWebサービスを初めて触るユーザの感想は、日頃そのWebサービスに触れている企業内のエンジニアにとって新鮮で貴重なものになる
  • テストエンジニアなら一般的なユーザと比べて品質特性などを用いて多種多様なチェックが可能であり、かつチェックした結果を相手の要求に合わせて適切に伝えることができる
  • 品質に課題を感じてテストエンジニアを募集してるくらいだから、Webサービスを一通り触ればどこかに不具合や改善点が存在する
  • Webサービスを触る過程でサービスの設計思想や企業の考え方や開発エンジニアの姿などが透けて見えるので、自分と企業との相性も見えてくる

私がWebサービスをテストする際は主に探索的テストの知見を活用しています。例えば申し込み等の一連の操作がスムーズに行えるか、検索画面で比較がしやすいか、入力ミス等があった場合にミスの内容や修正箇所が分かりやすいか、等々テストチャータをザックリと決めてテストを開始します。テスト中は各操作に対するWebサービスの反応とその際に違和感が生じていないか自分の内面を注意深く観察します。違和感の正体は何らかの期待に対する現実の反応との差異なので、それを逃さずキャッチし言語化出来れば不具合や改善点も見えてきます。

■受け入れテストテストで出てきた不具合や改善案を面接時に伝える

これはそのまま面接時のアピールポイントの話に繋げられます。また伝える際のポイントは以下になります。

  • その場で確認可能な不具合を伝える
  • 面接官がエンジニアでなくても分かりやすい不具合を伝える
  • 不具合を伝える際はユーザへの影響度および改善提案もセットで伝える

面接相手に「あ、この人社内のテストエンジニアが見逃した不具合を見つけ出せてる。」と思わせられれば大成功です。また面接の話を進めていく中で面接官の関心も見えてくると思うので、それに合わせた不具合情報や改善案を提供できるとなお良いでしょう。

不具合情報を伝える際の注意点としては、相手にネガティブな印象を与えないように言葉を選ぶことです。例えば太めな人に「デ〇ですね。」と伝えても相手を怒らせるだけです。一緒に品質を改善していく姿勢を崩さないようにしましょう。

■ソフトウェアテストの同人誌頒布など分かりやすいアピールポイントを履歴書に盛り込んでおく

オフライン面接の時代は面接中に同人誌の話題へ必ず誘導していました。実物の本を紹介して興味を持ってもらいながら自分の得意分野で話ができるので盛り上がりやすいですし、相手が抱えている品質課題に対して本の記事を紹介しながら改善案を提案できれば信頼度も大幅アップします。面接と言う真剣勝負の場において、相手への直接攻撃が可能な自分専用の武器(物理)を持ち込めるのってワクワクしませんか?

余談ですが転職活動中や転職先で「社外イベントで発表しているのを見かけました。」とか「同人誌持ってます。」等と声を掛けられたことが何度もあります。ポートフォリオに同人誌の情報を載せたら購入してくださった方もいました。社外活動をしていると誰かの目に止まりますし、その内容を勉強会などの形で日々の業務にも活かせるのでお勧めです。

では、転職を考えている方にとってこの記事が一助になれば幸いです。